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Wireless 第38回 「Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)の冗長化について2」

 こんにちは。TEと申します。
 
 前回は、Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)の冗長化プロセスについてご紹介させて頂きました。今回はその続きで冗長化時にコントローラで障害が発生した場合の動作についてご紹介させて頂きます。

 前回の記事をご覧頂けていない方は、まずはこちらからご覧下さい。
EWC-APでは、仮想コントローラとして動作中のActive APとバックアップ用コントローラの役割を担うStandby APで冗長化されます。この状態でActive APで障害が発生した場合、EWC-APでは、どのような動作になるのかについて以下の図で簡単に説明させていただきます。
 まずActive APで障害が発生した場合、Standby APが仮想コントローラの管理IPアドレスを含むコンフィグレーションを全て引き継ぎ、Active APに昇格します。
 続いて、昇格したActive APにより、その他のEWC-APに優先順位の再割り当てが行われます。 そして最後に最も優先順位が高いAPがStandby APとして選出され、再度冗長構成が組まれるというのがEWC-AP側の動作となります。

 この時のクライアント側の動作としては、障害発生したActive APのクライアントは、当然接続断が発生してしまいますが、その他APのクライアントは、ダウンタイム無く引き続き通信を行う事が可能です。

 従来のソリューションCisco Mobility Express(CME) との違いとしては、EWC-APのStandby APでは常にコントローライメージが動作している点です。CMEでは、バックアップAP(EWCでいうStandby AP)は切り替わり時にコントローライメージを起動する為、その分コントローラ復旧までに時間がかかっておりましたが、EWC-APでは10秒以内に復旧可能となっております。

 また、注意点もございます。CMEと同じようにEWC-APでは、配下にあるAPが25台以上存在する場合、負荷の影響によりActive APのみ最大接続クライアント数が20に制限されてしまいます。その為、APが25台以上あるようなネットワークでは、どのAPをActive APやStandby APにするのかという事をあらかじめ設定しておくことが重要です。

 設定については、下記の様な形で行います。
<Active APの指定>
EWCのダッシュボードから 設定> ワイヤレス> アクセスポイントページを開き、Active APに指定したいAPをクリックします。

APの編集ページの詳細タブを開き、優先コントローラにチェックを入れて設定を適用します。
※Active APに指定するには、まずは優先コントローラに設定する必要があります。

先ほどのページに戻るので、再度Active APに指定したいAPをクリックします。その後、詳細タブを開いてコントローラの作成をクリックします。
※その後、メッセージが表示されるので承諾します。

 以上でActive APの指定は完了です。
 続いて、Standby APの指定手順です。

<Standby APの指定>
EWCのダッシュボードから 設定> ワイヤレス> アクセスポイントページを開き、Standby APに指定したいAPをクリックします。

AP編集ページの詳細タブを開き、優先コントローラにチェックを入れて設定を適用します。

 以上でStandby APの指定は完了です。
 このように設定しておく事で、Active APとStandby APは、クライアント数が20台以下の比較的少ない場所に設置したり、管理用SSID以外のSSIDは出力させないように設定する事でクライアント接続数の上限を越さないように設計する事が可能になります。
※AP毎に出力させるSSIDを指定する方法については、前々回の記事をご参考下さい。

 他の手段として、Active APやStandby AP 以外は全てCAPWAPモード(AP機能のみ)に変更しておく事もできるのですが、万が一2台ともAPが落ちてしまうと復旧がかなり面倒になってしまいます。その為、3台以上で冗長させたい場合は、CAPWAPモードへの変更とActive/Standby APの指定を併用して頂く事をおすすめいたします。

 最後にAP25台以上ではない場合でも、管理がしやすくなるというメリットがございますので、それだけでも設定しておいて損はない機能かと思います。是非ご活用ください!

 今回は以上となります。
 引き続き宜しくお願いします。

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