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Collaboration 第154回 「Webex Calling 機能紹介 その2 ~ コールキュー ~」

こんにちは。ダイワボウ情報システム株式会社で、シスココラボレーション製品を担当しているエンジニアの斎藤です。

 

前回に引き続き、今回も外線着信のパターンについて取り上げます。第2回となる今回は、Webex Calling における「コールキュー」についてご紹介いたします。

 

■Webex Calling における外線着信のパターンは?

WebexCalling では、外線番号の着信先として、以下のような複数のパターンが用意されています:

ユーザー個人に割り当てる

「ハントグループ」に割り当てる

「コールキュー」に割り当てる

「仮想回線」に割り当てる

「自動音声応答」に割り当てる

 

この中で、コールセンター業務などのグループ着信に活用されるのが、3の「コールキュー」になります。

 

■Webex Calling における「コールキュー」とは?

コールキューは、1つの代表番号への着信を、あらかじめ設定された複数の内線に対して順番または同時に振り分ける機能です。ハントグループと同様の動作を行いますが、大きな違いとして、すべてのオペレーターが話中の場合でも着信を順番待ち(キュー)に並ばせ、オペレーターの通話が終了次第(空き次第)、自動的に接続できる点が挙げられます。ハントグループではオペレーターが全員応答中の場合、通話は切断されてしまうのに対して、コールキューでは、オペレーターが全員応答中でも通話が切れることは無いため、より多くの着信を効率的に処理し、機会損失を防ぐ手段として有効です。

 

イメージとしては、以下のような違いになります:

・ハントグループ:電話が来たら、空いている人に「順番に回す」だけのシンプルな仕組み

・コールキュー:混雑時でも「きちんと待たせて」「空いた人に公平に回す」高度な仕組み

WebexCalling におけるコールキューは、基本的に「ハントグループ+α」の機能となっており、メリット・デメリットの多くはハントグループと共通しています。たとえば、ユーザー間で「誰が応答したか」が確認できない、同時着信できるメンバーが最大50名といった制限はコールキューにも共通します。

一方で、キュー数(待機人数)やアナウンス(ウェルカムメッセージ、待機中メッセージ)を柔軟に設定できるなど、より高度な設計が可能です。そのため、電話が集中しやすいカスタマーサポート窓口や、オペレーターが不足しがちな状況での利用に適しています。

上記を踏まえたコールキューの主な用途は以下の通りです。

・カスタマーサポート:問い合わせを順番に待たせて、空いたオペレーターに接続

・代表電話の対応:企業の代表番号にかかる電話を待たせて適切に分配

・予約受付窓口:混雑時に予約希望者を順番に案内

・キャンペーン窓口:広告などで急増する電話を取りこぼさず処理

・災害・障害時の対応:緊急時の問い合わせ集中にも対応可能

・通話統計・品質分析:応答率や待ち時間を測定し、業務改善に活用

 

ここまでの内容を踏まえると、コールキューはハントグループの上位互換であり、ハントグループを選ぶメリットは無いように感じるかもしれません。しかし、コールキューを採用する場合は、設定項目が多く、運用もやや複雑になります。着信のルールや順番、保留中のガイダンス、オペレーターの管理など、細かな設計が必要となるため、「とりあえず電話を回せればいい」というシンプルな用途には、ややオーバースペックになる可能性があります。便利で柔軟な機能である一方、導入にあたっては実際の運用フローや体制に合っているかをしっかり見極めることがポイントになります。

 

 

■まとめ

今回は、Webex Calling における外線着信のパターンのひとつである「コールキュー」についてご紹介しました。「コールキュー」は、ハントグループと似たグループ着信機能ですが、着信を待機させるキュー機能やアナウンス設定が可能であり、コールセンター業務や代表電話など、電話が集中しやすいシーンに適した仕組みです。導入検討や提案の際にぜひご活用いただければと思います。

 

Webex Calling の設定については、ヘルプセンターの記事がございますので、こちらをご参照ください:

コールキューの設定

キューの管理


●よくある質問

・コールキューの着信はモバイルアプリや固定電話でも応答できますか?

⇒はい、可能です。Webex Calling に登録されたユーザーであれば、PC、モバイルアプリ(iOS/Android)、固定電話(Webex対応のIP電話機)など、どのデバイスでもコールキューの着信に応答できます。ユーザーが複数デバイスを使用している場合は、同時にすべてのデバイスに着信し、いずれかで応答することができます。

 

・ハントグループとの違いは何ですか?

⇒ハントグループは、空いているユーザーに着信を順次または同時に振り分けるシンプルな仕組みですが、全員が話中の場合は呼が切れてしまいます。

一方、コールキューでは、オペレーターが全員話中でも着信を待機(キュー)させることができ、順番に接続されます。

 

・コールキューは追加ライセンスが必要ですか?

⇒いいえ、Webex Calling の標準機能として利用可能です。追加のオプション契約なしで設定できます。

 

・着信時にアナウンスや保留音を流すことはできますか?

⇒はい、可能です。ウェルカムメッセージ、待機中アナウンス、保留音などを設定することができます。

 

・順番待ち(キュー)の数に制限はありますか?

⇒はい、キューに並べる件数は 0?250 の範囲で設定可能です。キュー数を「0」に設定した場合は、空いているメンバーに即時着信し、全員が話中の場合は呼が切れるという挙動となり、ハントグループに近い動作になります。

 

今回は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

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