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Designedラボ 第03回 「C2960Lは設定しなくても使えるのか?その3」

こんにちは。社会人2年目の新米SEのTEと申します。

前回は、工場出荷状態のCatalyst2960LでもPCとリンクアップすることができましたが、
その際に疑問点がいくつか出てきましたので、今回は疑問である下記の3点について調査していきたいと思います!!

1. Catalyst2960LのポートLEDランプがオレンジから緑に変化した意味
2. 通信可能になるまでに30秒掛かった理由
3. 30秒間を短縮することは可能なのか


さて、まずは1つ目のポートLEDランプについてですが、私が今回調べたいのは設定についてではなく、物理的なハードウェアの内容なので、C2960Lのハードウェアインストレーションガイドを見てみます。
Catalyst 2960-L シリーズ 8 ポートおよび 16 ポートスイッチハードウェアインストレーションガイド

少し探してみると、8ページ目にドンピシャでありました。

図1. LED カラーの意味

図1を確認すると、疑問1つ目のCatalyst2960LのポートLEDランプがオレンジから緑に変化した意味が分かってきました。つまり、ケーブル接続後すぐにSTPによるループ検索が行われ、ループ検索終了後にリンクアップされた。という事になります。
そして、ラッキーなことに疑問2つ目の通信可能になるまでに30秒掛かった理由についても、ループ検索が30秒間行われていたため、その間は通信ができなかったという事がわかりました!!

さて、続きまして3つ目の疑問点である、30秒間を短縮することは可能なのか?について
です。ここまで来たら最後までやってやりましょう!

今回は、先ほどのLEDのようなハードウェア面ではなく、リンクアップまでの時間を短縮する設定方法を探すので、C2960Lのコンフィギュレーションガイドを使います。この中のSTPについて見てみるとSTPのオプション機能にPortFastというそれらしきものがありました。
Catalyst 2960 および 2960-S スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーションガイド-PortFast概要

「PortFast を使用すると、スパニングツリーが収束するのを待たずにデバイスをただちにネットワークに接続できます。この機能をイネーブルにするには、 spanning-tree portfast インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。」と記載がございます。

なるほど!それでは実際にやってみましょう!

前回同様、下記の構成で検証を行いたいと思います。

図2. 構成イメージ

それでは、まずは工場出荷状態の2960Lにコンソールケーブルを接続し、ターミナルソフトウェア(Tera Term)を起動します。
そして、今回はポート1のリンクアップまでの時間を短縮したいので、コンフィギュレーションガイドの記載を参考にCLIコマンドで以下の赤文字を入力します。

--------------------------------------------------------------------
Switch>enable
Switch#conf t
Switch(config)#int gigabitEthernet 0/1
Switch(config-if)#spanning-tree portfast
Switch(config)#end
Switch#copy running-config startup-config
--------------------------------------------------------------------

これでポート1の設定は完了致しました。

次に検証用PCをCatalyst2960Lのポート1にメタルケーブルで接続すると同時に、
リンクアップの確認として、検証用PCからGoogleの DNSサーバ(8.8.8.8)にpingを実行したいと思います。これにより、応答があるまでの時間、つまり、リンクアップまでの時間が短縮されているかを確認したいと思います。

2960Lのポート1に接続し、その瞬間にpingをエンターキーで実行!

図3. PortFast設定後出力結果

おぉーーすごいです!タイムアウトが一行ありましたが、すぐに応答しております。
体感では約1秒程度でした。

次に何も設定していないポート2でも同じ事をしてみました。その出力結果がこちらになります。

図4. PortFast設定前出力結果

かなり遅いです。。。でも一応、最終的には応答致しました。

明らかに、設定前と設定後の出力画面を比べてみるとPortFastを設定したポートではリンクアップまでの時間が短縮されているのが分かるかと思います!そして、ついでにポートのLEDランプについても確認したところ、設定後のポートでは接続後一秒程度でオレンジから緑に変化致しました。

という事で、3つ目の疑問点であるリンクアップまでの30秒間を短縮することは可能なのか?については、検証結果からSTPのオプション機能PortFastを有効にすることにより可能という事が分かりました!

長くなりましたが、今回は無事、3つの疑問が全て解消されましたので、以上となります。

次回からは、工場出荷状態のCatalyst2960LでPoEは動作するのか?について調査したいと思います。

今後とも引き続きよろしくお願いします。
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