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Meraki 第99回 「Meraki Healthによるトラブルシュート3~APパフォーマンス編」

 こんにちは。Meraki担当のDsasです。
 前回と前々回と新機能のMeraki Healthという自動分析機能を用いた、無線クライアント毎のトラブルシュート手法の1つである「ネットワーク概略図編」と「クライアントパフォーマンス編」をご紹介いたしました。
(Meraki Healthとは?ネットワーク概略図とは?という方は、お手数ですがこちら「97話Meraki Healthによるトラブルシュート1~ネットワーク概略図編」と「98話Meraki Healthによるトラブルシュート1~クライアントパフォーマンス編」をご覧ください。)
 思いのほか長くなりましたが今回でMeraki Healthのご紹介は最後になります。最後は「APパフォーマンス編」です。是非、最後までお付き合いください。

 今回も長くなりそうなので、、、さっそく本題に入ります。
 最後にご紹介する「APパフォーマンス」はこれまでの特定のクライアントに対するデータ分析ではなく、特定のAPに対するデータ分析となります。
 まずはAPの「サマリー」タブ内にある無線状況診断の情報を紹介します。サマリーページは、ワイヤレス>アクセスポイントから任意のアクセスポイントを選択することで表示することが可能です。無線診断状況は下図にございます。
 この無線状況診断のデータは、APごとに情報が抽出されています。左側の円グラフでは、AP毎の接続状況をパーセンテージで示しますのでざっくりと接続状況の健全性を確認できます。(図では67%が接続成功。。)また右側に接続、認証、DHCP、DNSの接続ステップ毎に問題が発生してる割合を確認することが可能です。(図では、認証ステップで33%が失敗。。)
 またこのウィジェットをクリックすると、特定のAPの「イベントログ」タブのページが表示されます。このページには、特定のAP上のクライアントデバイスで発生したすべての問題が表示されます。下図はクリック後の実際のページです。CEC WiFiというSSIDでAuthenticationの認証ステージにおいてWPA-PSKの認証に問題が発生しているログが表示されています。
 続いてAPの「接続」タブです。このタブには、個々のクライアントの接続ではなく、アクセスポイントを介したすべての接続情報が表示されます。接続統計は、期間(最大1か月分の接続が保存されます)、SSID、またはその両方でフィルタリングできます。
 下図がイメージですが、全体的な接続状況の統計は、私の環境ではどれを選択しても0/0devicesでしたのでうまく情報が取れていないようですが、、、その下にある「SSIDによる問題」では問題のあるSSIDのリストが表示されます。また接続、認証、DHCP、DNSの接続ステップ毎にフィルタリングすることも可能です。
 また「問題のある接続ステップ」では、接続ステップ毎のクライアント障害を示すグラフが表示されます。これにより、特定のAPに接続した複数のクライアントが抱えている問題を把握できます。さらに失敗した割合(図にある2%や20.9%など)の数値をクリックすると、対応するフィルターが適用されたイベントログのテーブルが表示されます。
 最後は、APの「パフォーマンス」タブです。「パフォーマンス」タブには、APのパフォーマンスに関するさまざまなグラフが表示されます。これらのグラフは、ダッシュボードが記録している複数のパラメーターを元に自動的に作成されます。また特定の期間(最大1か月間)やSSIDまたはバンドを指定することにより、簡単に指定したデータのグラフを表示することが可能です。
 まずは「帯域利用量」のグラフです。このグラフは、APが転送しているワイヤレスデータの量を示すために使用されます。使用率が異常に高い場合は、遅延の原因となる可能性があります。またグラフはAutoRF(チャネルと出力の自動調整)情報でオーバーレイされており、紫色のバーがAuto TX(電力)とAuto Channel(チャネル)の変化を表示しています。下図は、この時間にAuto TXの値が変化したイベントが発生したことを示しています。
 次は、「クライアント」のグラフです。このグラフは、選択した期間にわたってAPに接続されているアクティブなワイヤレスクライアントの数が表示されます。1つのAPのクライアント数が多いと、パフォーマンスが低下(遅延)し、チャネル使用率が高くなる可能性があります。また先ほどの帯域利用量と同様にAutoRFイベントでオーバーレイされています。紫色のバーのグラフにカーソルを合わせると、クライアントの数と、選択した時間枠で発生した可能性のあるAutoRFのイベントが表示されます。
 次は「平均シグナル品質」のグラフです。APに接続されたクライアントの平均SNR(RSSIも選択可能)を示しています。シグナル品質が悪い場合、パフォーマンスは低下します(遅延により、通信が遅くなります)。シグナル強度が低いのは、APからの距離、物理環境の変化、またはRF構成が原因である可能性があります。このグラフは、特定のエリアでワイヤレスの問題が発生した場合、信号品質が特定の期間のみ低下していたのかどうかを理解するために便利です。なお他のグラフ同様にAutoRFイベントでオーバーレイされます。
 次は「平均ワイヤレス遅延」のグラフです。このグラフは選択したAPに接続されている無線クライアント毎の遅延を計算し、任意の時点で接続されているすべてのクライアントの値を平均します。これにより、選択したAPに接続されているすべての無線クライアントの待ち時間の概要がわかります。また最も遅い無線クライアントのリストを表示することも可能なため、WiFiネットワーク経由で接続したときに速度が低下している特定のクライアントを特定できます。特定のクライアントの遅延が急上昇した場合、ネットワーク管理者はクライアントの「パフォーマンス」タブを調べて、クライアントに関連する特定の問題を切り分けることができます。また他のグラフ同様すべてのAutoRFイベントでオーバーレイされます。
 最後は「チャネル利用」のグラフです。このグラフは、チャネル使用率のパーセント値が表示されます。チャネル使用率が高いと、ワイヤレス遅延の原因になることがあります。チャネル使用率が高いのは、使用率が高い(802.11トラフィック)か、隣接APからの干渉が原因である可能性があります。高いチャネル使用率は、マイクロ波やBluetoothなどによって引き起こされる干渉からも発生する可能性があります。グラフは、802.11トラフィックと干渉(802.11以外)のいずれかを選択することが可能です。グラフにカーソルを合わせると、特定のタイムスタンプでのチャネル使用率の値が表示されます。また他のグラフ同様すべてのAutoRFイベントでオーバーレイされます。
 最後は「データレート」のグラフです。このグラフはAPに接続されたすべてのクライアントデバイス全体の平均データレートを表示します。グラフは、AP上のすべてのデバイスにわたるアップロード、ダウンロード、平均データレートを選択することとで指定したデータのグラフを表示することが可能です。データレートが低下する原因としては、信号品質の低下、または無線クライアントやAPによる制限が考えられます。
 以上となります。

 全3回にもわたりご紹介させて頂きましたMeraki Healthですが、やはり一番のポイントは管理者が何もしなくてもクラウドが自動的にデータを集め、分かり易く可視化してくれいること、また問題が発生したときなどは直ぐにそのデータを活用できることかと思います。
 増え続けるAPを管理しながら無線クライアント毎の通信まで管理(把握)するためには、もうMeraki Healthのような自動化以外に手は無いのかもしれません。

 最後まで読んでいただき有難うございました。

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