Meraki

Meraki 第98回 「Meraki Healthによるトラブルシュート2~クライアントパフォーマンス編」

 こんにちは。Meraki担当のDsasです。
 前回は新機能のMeraki Healthという自動分析機能を用いた、無線クライアント毎のトラブルシュート手法の1つである「ネットワーク概略図編」をご紹介いたしました。
(Meraki Healthとは?ネットワーク概略図とは?という方は、お手数ですがこちら「97話Meraki Healthによるトラブルシュート1~ネットワーク概略図編」をご覧ください。)
 今回は、Meraki Healthのクライアントパフォーマンス編といたしまして、無線クライアントに対する詳細な分析を元にしたトラブルシュート方法をご紹介いたします。

 では、さっそく本題に入ります。まずは、クライアントの「接続」タブです。これはMerakiダッシュボードから、ネットワーク全体>クライアントから詳細を確認したい無線クライアントを選択することで表示されます。
  [接続]タブは、選択したクライアントの接続に関する統計が表示されます。統計データはSSID、APタグ、またはバンド(2.4G、5GHz)の組み合わせて表示することが可能です。下図のような図です。下図のイメージです。
表示されるデータが直前の時間から、6か月前まで遡ることができることです!
 この図では、全てのSSIDと全てのAPに対して無線クライアント(CEC-IPP-09)が施行した無線接続回数と不具合発生数を表示しています。具体的には、49回の接続を試みて、うち9回は失敗していることがわかります。接続成功率は100%ではなく81.6%かと思いますが。。まあそういうこともあるのだと思います。。。(後で説明する画面には正しく表示されていました)ポイントはそこではなくて、不具合発生とはどんな不具合だったのか?ということだと思いますが、それはページを下スクロールすると直ぐにわかります。
 「SSIDによる問題」では、先ほどの不具合発生接続数に関係しているSSIDがリストアップされています。また不具合発生ステージがAuthentication(認証)であることも分かります。そしてSSID名(CEC-WiFi)をクリックすると該当のSSIDの設定画面に移行することができますし、不具合の「9」もしくは「Authentication」をクリックすると、該当のSSIDの認証のログがソートされたログ画面が新しいタブで表示されます。
 「全体的な接続状況の統計」の不具合発生数「9」をクリックすると下図の通り指定した無線クライアントのエラーログがソートされた状態で表示されます。これ地味ですが、とても便利だと思います!もう無線クライアントのMACアドレスを控えて、アクセスポイントの膨大ログの中から検索する必要はありません!
 一番右の列の「失敗理由」に「Client failed during the authentication step.type='WPA-PSK auth fail' associated='false' radio='0' vap='0'」と記載ありますが、英語が苦手な私でもWPA-PSKの認証、つまりパスワードの入力間違いだったということが分かります。
これでこの手の無線クライアント固有のトラブルは一件落着です!!
 また先ほどの「SSIDによる問題」の画面の下には、「問題のある接続ステップ」という画面があり、ここには無線クライアントの接続の各ステップ(接続、認証、DHCP、DNS)での失敗のパーセンテージを表示することが可能です。 (ここのSuccessの割合は81.6%と正確に表示されていました!)
 数値のいずれかをクリックすると、SSIDの問題の画面と同じように対応するログ画面が表示されます。またこの画面では18.4%が認証に失敗し、その他のdhcp、DNSトラフィックの通過には問題ありませんでした。従いまして、すべての接続の成功率は(100%-18.4%認証に失敗)= 81.6%となります。

 次は、「パフォーマンス」タブです。このタブには、特定のクライアントに関する様々なパフォーマンスの値を、特定のSSIDやAP、または帯域(2.4 GHzまたは5 GHz)別に表示することが可能です。
※ [パフォーマンス]タブとその内容は、ファームウェアバージョンMR27.1以降でサポートされています。
 まずは「帯域利用量」ですが、まず左側に無線クライアントが利用している上位アプリが表示されます。右側のグラフは、指定した時間範囲での無線クライアントの帯域幅消費を可視化しています。さらに、使用状況グラフのすぐ下に、2つの追加の接続バーが表示されます。今回は表示されませんでしたが、紫色のバーはイベントバーと呼ばれ、ワイヤレスパフォーマンスに影響する可能性のあるイベントを表しています。イベントには、RF構成に加えられた変更、DFSイベントなどが含まれます。色が濃淡によりイベントの量を確認できます。(淡=イベント少ない、濃=イベント多い)、また青色のバーは、クライアントが特定のアクセスポイントに接続された時期を表しています。(今回の例では、MR53-4というAPに接続していることがわかります)青色バーの間は、クライアントが切断されたか、APを切り替えた時間を示します。
 サンプル画面に情報が少なく恐縮なのですが、無線クライアントを中心としたイベント情報を含む帯域グラフを無線クライアント毎に自動的に作成してくれるのはうれしい驚きです!

 帯域幅使用量の下には、「シグナル品質」と「平均ワイヤレス遅延」を示すグラフが表示されます。
 「シグナル品質」には、指定した期間のクライアントのRSSI値またはSNR値が表示されます。どちらかを選択できます。SNRは信号 (signal) と雑音 (noise) の比を示し、RSSIは受信信号強度を示します。グラフの左側のパネルには、デフォルトのしきい値を超える平均SNRまたはRSSI値を示す円グラフがありますので一目で状況が良いのか悪いのか分かります。ちなみにSNRの閾値は、20dbで、これよりも大きい値だと問題無しという判断になります。RSSIの閾値は-80dBmで、これよりも大きい値(マイナス値なので-60dBmとかだと)だと問題無しという判断になります。

 「平均ワイヤレス遅延」は、選択した無線クライアントのすべてのパケットに見られる遅延を測定します。シグナル品質と同様のグラフがあります。この閾値200msよりも遅延が小さければ問題無しという判断になります。また「最も遅いAP」という選択ボタンがあります、これをクリックすると最も平均遅延が高いAPがハイライトされるリスト表示に変わります。
 またどちらのグラフもマウスカーソルを合わせるとグラフにカーソルを合わせると、その時の値を確認できます。

 次に、「APチャネル使用率」、「AP使用量」、「APクライアント数」のグラフを纏めてご紹介いたします。これらのグラフは、無線クライアントが接続しているその時々のAPのパフォーマンスを一つのグラフとして表示します。
 まず、「APチャネル使用率」ですが、チャネル使用率が高いと、ワイヤレス遅延の原因になることがあります。チャネル使用率が高い原因は、隣接APなどからの電波やマイクロ波やBluetoothなどによって引き起こされる干渉からも発生する可能性があります。
 「AP使用量」は、APが転送していたデータ量(全クライアントからのデータ)を示しています。この使用率が異常に高い場合は、遅延の原因となる可能性があります。
 「APクライアント数」は、APに接続されたクライアントの数を示しています。 APに多くの無線クライアントがある場合、遅延の原因となる可能性があります。

 最後のグラフは「データレート」です。このグラフは無線クライアントがサポートする最大データレートをパーセンテージとして示しています。
 低いデータレートの原因は、信号品質の低下やクライアントデバイスまたはAPによる制限の可能性があります。このグラフは、このクライアントがサポートする最大データレートのパーセンテージとして使用されるデータレートを示しています。円グラフの閾値は50%で、クライアントがサポートする最大のデータレート値の半分(50%)以上で接続できていれば問題無しと判断されます。

 最後は、「履歴」タブです。この「履歴」タブでは、無線クライアントデバイスのイベントに関する履歴情報をまとめて表示することが可能です。下図が示すように、クライアントが接続しようとしたSSID、AP、接続時間、接続時のSNR値をまとめて表示することが可能です。
 イベントはSSID、AP、バンド、不具合ヘーズ(接続、認証、DHCP、DNS)、障害の重大度(不良、警告、良好)でイベント情報をソートすることも可能です。
 802.1X認証を有効化したSSIDの場合は、RADIUSサーバーのIPアドレスと、接続が成功しない場合の理由コードが表示されます。さらに接続が失敗している理由に関する考えられる原因と修正手順を提供します!
 ※こちらは弊社検証環境では、良い感じのログがでなかったので、メーカーのマニュアルより切り抜いたキャプチャ画面を表示します。表示が英語ですが、パスワードの設定を見直すようにとアドバイスが表示されています!!
 https://documentation.meraki.com/zGeneral_Administration/Cross-Platform_Content/Meraki_Health#Client_History_Tab

長くなりましたので、今回は以上とさせていただきます。

如何でしたでしょうか。
たとえ複数APにローミングしたとしても、一貫して無線クライアントを中心にデータを分析して1つのグラフにまとめるというこの機能が、皆様のトラブルシュートの時間を少しでも短縮できれば幸いです。

次回もMeraki Healthの機能をご紹介します。

最後まで読んで頂き有難うございました。

全44回のMeraki過去記事を掲載中!

製品情報や導入事例を掲載中!

使いやすいと好評!選び方ガイド無料DL!

カタログDL等、iDATEN(韋駄天)ログインが必要なコンテンツがございます。
必要に応じて、ログインしてご利用ください。
iDATEN(韋駄天)のご利用に関してご不明点があるお客様は こちら をお読みください。

Ciscoの記事