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NUC(Next Unit of Computing)


インテル「 NUC (Next Unit of Computing) 」

3. NUCはどのような用途で使われているのか

NUCはさすが「インテル純正」の製品だけあり、品質と動作の安定性が高いことが評価されている。また手のひらサイズのコンパクトな筐体ながら拡張ポートが充実しており、設置場所や用途を選ばないことも魅力の一つとなっている。ではNUCは実際にどのような用途で使われているのだろうか。その一例を紹介する。

NUCの累計出荷台数は1,000万台を突破

インテルでは当初、NUCを産業向けとして工場などの設備の自動化や制御に用いることを想定して、まずマザーボードの規格であるUCFFを提案した。そしてUCFFに準拠したマザーボードを使用したパソコンのモデルケースとしてNUCを開発した。当初は産業領域での利用を想定していたため必ずしも高い性能を必要としないと考え、CPUにはインテル Celeron プロセッサーのみが採用された。

しかしモデルケースとしてリリースされたNUCのコンパクトな筐体は用途を限定しない。しだいにオフィスでミニPCとして重宝されたり、小売店や飲食店などでデジタルサイネージ用に利用されたりするなど、産業領域以外でも導入・活用されるようになった。またNUCにはゲーミングPCとして利用できるモデルもラインアップしており、ゲームだけではなくデザインなどのクリエイティブ用途や、CADや3Dグラフィックスなど設計向けのワークステーションとしても導入、活用できる。

NUCの潜在的な需要の可能性の高さを確信したインテルはNUCを正式に製品化するとともに、事業として推進してきた。またさまざま用途での要望に応えるために常に最新のインテル Core プロセッサーやチップセット、拡張インターフェースを装備した高性能なモデルを用意するなど、意欲的にNUC事業に取り組んできた。そして発売から10年目を迎えた今年、NUCの累計出荷台数は1,000万台を突破したという。

NUCにはゲーミングやワークステーションとしても利用可能な高性能モデルもラインアップする。

デジタルサイネージでの導入が急成長

NUCは日本を含めたグローバルで販売されており、日本では代理店とそのパートナーを通じて顧客に提供されている。また販売後のユーザーサポートは販売代理店が窓口となり、NUCのハードウェアに関する修理等はインテルが対応している。なおNUCのベアボーン(マザーボード、CPU、筐体)モデルは3年間のメーカー保証が付帯する。

グローバルで販売されているNUCは産業領域での導入が継続的に増えているほか、大手ファストフード店や小売店など、デジタルサイネージでの用途も急成長しているという。そのためインテルはデジタルサイネージ用途向けの管理ソフトウェア「NUC ソフトウェア・スタジオ」をインターネットを通じて無償で提供している。NUC ソフトウェア・スタジオはNUCの稼働状態を遠隔で監視できる機能や、複数のNUCとモニターを連携させて障害発生時に自動的にバックアップして表示を継続させる機能などが利用できる。

さらに第11世代以降のインテル Core プロセッサーを搭載したNUCは1台で最大4台のモニターにそれぞれ異なる映像を4K/60Hzで出力(表示)することができる。こうしたコストパフォーマンスの高さも、デジタルサイネージでの導入が急成長している理由だろう。

このほか国内のNUC販売代理店によると、コールセンターのオペレーター用端末などオフィスでのデスクワーク用途でさまざまな業種に導入した実績があるほか、店舗やクリニックでの需要も多く、多店舗や多拠点で稼働するサーバーを管理するための端末として利用されるケースもあるという。

ユニークなケースとしてはクラウドネイティブソリューションおよびドローンソリューションなどの事業を展開するクオリティソフトの「Quality Cloud System」がある。これは2022年11月9日に開催された「インテル Ecosystem Meet Up」に出展されたもので、多数のNUCをマルチクラスター構成で接続してKubernetesベースのクラウドネイティブなPaaSおよびIaaSのプラットフォームを実現している。

2022年11月9日に開催された「インテル Ecosystem Meet Up」に出展されたクオリティソフトの「Quality Cloud System」。多数のNUCをマルチクラスター構成で接続してKubernetesベースのクラウドネイティブなPaaSおよびIaaSのプラットフォームを実現している。

海外では米国のLoopという企業がNUC Compute Element用のソケットをモニターに組み込み、NUC Compute Elementを抜き差しして利用できるオールインワンパソコンを、ミーティングルームやフリーアドレスなどの共用スペース向けに開発・販売している。そのほかAIを搭載した倉庫用ロボットにNUCのボードキットが採用されるなど、さまざまな領域の多様な用途で活用されている。

アイデア次第でパソコンの新たな用途や活用方法を開拓できるNUCは、ビジネスに新たな体験をもたらすとともに、新たなビジネスチャンスを生み出してくれることだろう。

米国のLoopが開発・販売するオールインワンパソコン。NUC Compute Element用のソケットをモニターに組み込み、NUC Compute Elementを抜き差しして利用できる。

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