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Wireless 第41回[2022年03月14更新]「Catalyst9100シリーズ 外部DHCPサーバが無い環境にEWC-APを導入してみた」

 こんにちは。TEと申します。
 
 今回は、外部DHCPサーバが無い環境にCatalyst9100シリーズ EWC-APを導入してみましたので、必要な設定についてご紹介いたします。

 EWC-APを導入する際は、基本的には外部DHCPサーバがある環境がおすすめとなりますが、どうしても外部DHCPサーバをご用意できないケースもあるかと思いますので、その際は今回の内容を参考にして頂ければと思います。
※2022年03月14日追記 EWC-APの内部DHCPサーバ機能は現時点では正式にサポートされておらず、実環境での使用は非推奨となっております。その為、今回ご紹介する設定は外部DHCPサーバが無い検証環境などでのみご活用頂くようお願いいたします。詳細につきましては、以下のメーカードキュメントをご参照ください。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/controller/ewc/17-3/config-guide/ewc_cg_17_3/dhcp_for_wlans.html#internal-dhcp-server
>The controller has the ability to provide internal DHCP server. This feature is very limited and considered as convenience that is often used simple demonstration or proof-of-concept, for example in a lab environment. The best practice is NOT to use this feature in an enterprise production network.

実際に検証した環境の構成イメージは以下の通りです。
 上記のように外部DHCPサーバが無い無線LAN環境では、代わりにAP内部のDHCPサーバを利用し、無線クライアントにIPアドレスを割り当てる形になるかと思います。

ただ、EWC-APではGUIによる初期セットアップでは、DHCP環境が必須になりますし、CLIでもDHCPサーバが無い環境での初期セットアップや設定例が公開されているものがあまりなかったため、検証してみました。

 外部DHCPサーバが無い環境での初期セットアップからSSIDの設定までの簡単な流れとしましては、以下の通りです。
 1.EWCの初期セットアップ(CLI)
 2.APの固定IPアドレスの設定(CLI)
 3.SVIの設定(GUI)
 4.EWC内部のDHCPサーバの設定(GUI)
 5.SSIDの設定(GUI)

 まずは、1.EWCの初期セットアップ(CLI)については、通常通りの設定手順になります。主にEWCの管理IPアドレスの設定やEWCの管理画面にアクセスするためのユーザ名、パスワードの設定などがあります。以下がコマンドの設定例となります。
-------------------------------------------------------------
WLC5C71.0DED.xxxx>enable
Password: xxxxxxxxx ※特権EXECパスワードの入力
WLC5C71.0DED.xxxx#conf t
WLC5C71.0DED.xxxx(config)#hostname EWC ※ホスト名の変更
EWC(config)#username cisco privilege 15 password 0 Cisco123 
※EWCへのログインユーザ名とパスワードの設定
EWC(config-user-name)#exit
EWC(config)#ap profile default-ap-profile ※デフォルトのAPプロファイルの設定モード
EWC(config-ap-profile)#mgmtuser username cisco password 0 Cisco456 secret 0 Cisco789
※APのログインユーザ名とパスワード、特権EXECパスワードの設定
EWC(config-ap-profile)#exit
EWC(config)#int gigabitEthernet0
EWC(config-if)#ip address 192.168.1.200 255.255.255.0 ※EWCの管理IPの設定
EWC(config-if)#no shutdown
EWC(config-if)#exit
EWC(config)#ip default-gateway 192.168.1.254 ※EWCのデフォルトゲートウェイの設定
EWC(config)#ip http server ※GUI管理画面アクセス用のhttpサーバの有効化
EWC(config)#ip http secure-server ※GUI管理画面アクセス用のhttpsサーバの有効化
EWC(config)#end
EWC#write memory ※設定の保存
Building configuration...
-------------------------------------------------------------

次に2.APの固定IPアドレスの設定(CLI)は、外部DHCPサーバが無い時のみ必要な設定です。EWC-APには、EWC(コントローラ)側の管理IPアドレスとAP側のIPアドレスが必要になる為、外部DHCPサーバが無い場合はAPに固定でIPアドレスとデフォルトゲートウェイの設定が必要となります。設定例は以下の通りです。
-------------------------------------------------------------
EWC>enable
Password: xxxxxxxxx
EWC#wireless ewc-ap ap shell username cisco ※APへのログイン、ユーザ名の入力
cisco@192.168.129.1's password:Cisco456 ※APへのログインパスワードの入力※実際は表示されません。
AP5C71.0DED.xxxx>enable
Password:Cisco789 ※APの特権EXECパスワードの入力(実際は表示されません。)
AP5C71.0DED.xxxx#cawap ap ip 192.168.1.100 255.255.255.0 192.168.1.254
※APのIPアドレスとデフォルトゲートウェイの設定
AP5C71.0DED.xxxx#exit
Connection to 192.168.129.1 closed.
C9105-EWC#
-------------------------------------------------------------

 続いて3.SVIの設定(GUI)は、こちらも外部DHCPサーバが無い時に必要な設定です。内部のDHCPサーバを利用する場合は、内部DHCPサーバで払い出すセグメントと同セグメントのインターフェイス(SVI)を作成する必要があります。今回の構成例であれば、VLAN10(192.168.10.x/24)のSVIを作成します。以下は設定例です。
 次に4.EWC内部のDHCPサーバの設定(GUI)です。こちらは外部サーバの代わりにEWCからクライアントに動的にIPアドレスを割り当てる設定となりますので、当然必要になります。今回の構成例では、192.168.10.1から192.168.10.251の範囲で割り当てるDHCPサーバを設定しています。その他にデフォルトゲートウェイを192.168.10.254、DNSサーバを8.8.8.8に割り当てる設定を行っています。以下は設定例です。
 あとは、通常通り5.SSIDの設定(GUI)でVLAN10のSSIDを作成して頂く事で内部DHCPサーバを使った無線LAN環境を構築する事が可能です。SSID作成の設定例については以下の記事をご参照ください。
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/out/secolumn/cisco/wireless/025.html


今回の様な設定を行うことで、外部DHCPサーバが無い環境でもC9100シリーズEWC-APを導入する事が可能です。ただし、EWCやAPに対してCLIで設定が必要になる分、DHCPサーバがある環境よりも少し手間がかかってしまいます。その為、どうしても外部DHCPサーバが無い場合のみ、今回の様な設定方法をお試し頂ければと思います。

今回は長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上となります。

引き続きよろしくお願いいたします。

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