HYCUで楽々データ保護
第29回 バージョン5.0.0のリリース

こんにちは、HYCUの吉田です。
 

HYCUのオンプレミス製品「HYCU R-Cloud Hybrid Cloud Edition(旧HYCU Data Protection for Enterprise Clouds)」の新しいバージョン5.0.0がリリースされましたので、今回は新機能についてご紹介したいと思います。

今回のバージョンにはいくつかの新機能と機能向上が組み込まれていますが、4つの特徴がございます。

Dell Data DomainとのDD Boostサポート

バックアップの保存先としてDELLのData Domainを選定する事例がグローバル全体でも多い為、今回のバージョンでご要望の多いDD Boostに対応しました。
DD Boostとは、重複排除プロセスの一部をバックアップサーバに分散することでパフォーマンスを大幅に向上させる機能であり、バックアップサーバから転送するデータ量を大幅に削減する効果があります。

また、Retention Lock機能を有効化することで、ランサムウェア対策としてデータを書き換え不可能な形で保存することができます。
HYCUはRetention Lockとも連携しているため、HYCUが保存したデータで書き換え不可の期間を延長する必要がある場合、HYCUが自動的に行います。

Data Domainとの DD Boost対応

DD Boost 連携
  • 必要なデータのみをHYCUが転送することでスループットを最大50%向上
  • ネットワークへの負荷を低下
Retention Lock 連携
  • ランサムウェア対策としてデータを書き換え不可の状態で設定期間保存
  • 保持が必要なデータに対して、HYCUが書き換え不可期間を自動的に更新

ターゲットを追加

ターゲット(保存先)の追加画面

S3互換オブジェクトストレージのバックアップ

オブジェクトストレージとは、データをオブジェクト単位で管理するストレージであり、オブジェクトにはそれぞれ一意なIDが付与され、メタデータと共に管理することで、容量制限や他データとの依存関係を考慮する必要がなく、柔軟で拡張性に優れています。一般的にバックアップの保存先として使用する機会が多いのですが、今回は保護対象としてオブジェクトストレージに対応しました。

この結果、下記のオブジェクトストレージに保存されたデータをバックアップすることが可能です。

  • Nutanix Objects
  • Wasabi
  • AWS S3
  • Cloudian Object Storage
  • Scality
  • MinIO
  • Dell ECS

また、HYCU画面では、ファイルサーバとしてS3互換ストレージを登録することで、バックアップ保護対象にします。
例えば、Nutanix ObjectsのデータをWasabiに保存したり、AWS S3のデータをオンプレミスのNutanix Objectsに保存したりするシナリオが想定されます。

AOS 6.8のサポート

機能紹介であまりAOSバージョンのお話はしないのですが、vTPMを有効化した仮想マシンをバックアップするにはAOSのバージョン6.8以降が必要のため、今回ご紹介します。

以前のAOSバージョンではvTPMを有効にした仮想マシン(Windows11)をバックアップしようとすると、AOSの制限によりバックアップが失敗していました。その事象を改善したのがAOS 6.8になります。

ちなみに、AOS 6.8はeSTSという通常のSTSとは異なる長い期間のサポートがあります。AOS 6.5のサポート終了に備え、AOS 6.8へアップグレードする機会も増えているとのことです。

Migration/DRツール

こちらはオプションとして無償提供しているツールのため、ご存じないかもしれません。
HYCUの管理画面からマシンの復元を実行する際、1台単位でしか実行できないことに気が付かれた方もいらっしゃると思います。復元ジョブは注意を払って行う必要があるため、1台1台慎重に行う点においてはよいのですが、災害復旧のようなシナリオでは複数マシンをまとめて復元する必要があります。

そこで、HYCUはオプションとしてBulk Restoreと言う無償ツールを提供しておりましたが、今回機能を拡張し、名前もMigration/DRツールへと変更しました。
異なるNutanixやVMware環境へのマシン一括復元、AWS/Google/Azureなどのクラウドへマシンを一括して移行、またその逆パターンの移行を実現することができます。
このツールをご要望の際はご相談ください。

Migration/DRツールの画面

その他

  • MS SQLをアプリケーションとしてHYCUが認識し、アプリケーション整合性バックアップを実行すると、大規模環境ではデータベースの静止点作成に時間が掛かることがあります。今回のバージョンで不要なデータベースの静止点作成を除外することが可能になりました。
  • Exchangeのデータベース可用性グループ(DAG)構成をHYCUが認識し、アプリケーションとしてバックアップすると、場合によりリモートのExchangeサーバからバックアップする可能性があります。今回のバージョンでリモートのExchangeサーバを対象から除外することができるようになりました。
  • IDプロバイダー(シングルサインオン)の細かな登録設定ができるようになりました。
  • HYCU管理画面をダークモードに変更できるようになりました。

いかがでしょうか。HYCUは30日間使用できる評価版を提供しておりますので、是非お試し頂けると幸いです。

どうもありがとうございました。