HYCUで楽々データ保護
第22回 HYCUバックアップコントローラーのDR構成
こんにちは、HYCUの吉田です。
HYCUのバージョン4.5.0より、HYCUバックアップコントローラーのDR構成の仕組み(考え方)が変わりましたのでこのブログで紹介させて頂きます。
おさらいとして、名前の定義からはじめさせて頂きます。
HYCUバックアップコントローラー |
管理サーバーです。 |
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HYCUバックアップコントローラーのDRモード |
HYCUバックアップコントローラーの復元専用モードです。 |
ソース |
バックアップ対象です。 |
ターゲット |
バックアップ/コピー/アーカイブデータの保存場所です。 |
ターゲットの追加 |
ターゲットを登録することです。 |
ターゲットのインポート |
別のHYCUバックアップコントローラーで使用されているターゲットを登録することです。 |
バージョン4.5.0以前ではターゲットのインポート後、ターゲットのモードを「読み取り専用」から「読み書き」へ自由に切り替えを行うことができました。
そのため、本番運用しているターゲットに対し、別のHYCUバックアップコントローラーからインポートすると、間違えてデータの上書きや削除をしてしまうリスクが存在しました。
リスク回避には別のHYCUバックアップコントローラーからインポート作業を行わないことや読み書きモードへ切り替えないことになりますが、災害時にDRサイトへの切り替え/復元の作業手順が少し煩雑になる問題がありました。
そこで、バージョン4.5.0からの基本動作が変更され、インポートしたターゲットを持つHYCUバックアップコントローラーはDR専用として動作し、ターゲットのデータを変更したりデータを追加したりすることはできません。
また、読み書きモードのターゲットを持つHYCUバックアップコントローラーはDRモードにすることはできません。
それでは、2台のHYCUバックアップコントローラーを構築し、1台を本番構成、1台を待機(DR)構成にする場合、どのように設定するのかみていきます。
本番構成のHYCUバックアップコントローラー
これまで通りターゲットを追加し、バックアップ運用します。また、HYCUバックアップコントローラー自身もバックアップします。
障害や災害から自身を復元するには、別のHYCUバックアップコントローラーを展開し、インポートしたターゲットから復元ジョブを実行します。
自身をバックアップしていない場合、ダッシュボードにその旨の注意メッセージが表示されます。
待機構成のHYCUバックアップコントローラー
HYCUバックアップコントローラーを展開し、本番機で作成したターゲットをインポートします。インポート後、バックアップコントローラーはDRモードになり、復元以外の操作ができなくなります。インポートされたターゲットは読み取り専用の為、データが変更されるリスクはありません。
事前に構築しておくことでDR発動時に復元作業の工数削減ができます。事前に構築しない場合、DR発動後に一時的なHYCUバックアップコントローラーを展開し、ターゲットをインポートする作業が必要になります。
本番構成のHYCUバックアップコントローラーはインポートが不可、ターゲットは読み書き可能
HYCUバックアップコントローラーのDRモード
画面上にRecovery Mode中のメッセージが表示され、ターゲットの追加は不可、ターゲットは読み取り専用になる
設定は以上です。
復元シナリオ
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本番環境のHYCUバックアップコントローラーを復元する場合
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DRモードのHYCUバックアップコントローラーから復元を実行します。
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DR発動時
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DRモードのHYCUバックアップコントローラーからDRサイトへ仮想マシン群を復元します。
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本番環境のHYCUバックアップコントローラー自身をバックアップしていない状況で新規にHYCUバックアップコントローラーを展開する場合
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新しいHYCUバックアップコントローラーを展開し、ターゲットをインポートします。
ただし、このままでは復元専用となりバックアップを実行できない為、HYCUサポートにお問い合わせの上、通常モードへ切り替える必要があります。バックアップ環境の設定を保持する目的に、HYCUバックアップコントローラー自身も普段からバックアップ保護することを強く推奨します。
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いかがでしょうか。
HYCUバックアップ基盤のDR時の動作について、ご理解頂ければ幸いでございます。
どうもありがとうございました。