Cisco 担当者コラム
Cisco・Collaboration
Collaboration 第78回 「Cisco Webex 日本語文字起こしを試してみた!その3~議事録作成について~」
こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。
前回、Cisco Webexのリアルタイム翻訳機能の有効化とライセンスについて紹介させていただきました。ここまで会議前の有効化手順、会議中の動作についてご紹介してきましたので、今回は会議後の動作としてリアルタイム翻訳の議事録作成についてご紹介したいと思います。是非ご一読ください。
Cisco Webexの議事録作成は大きく2種類ある
Webexの議事録には現在、「会議議事録(Meeting Transcripts)」と「録画議事録(Recording Transcripts)」の2種類があります。録画議事録は従来のバージョン(WBS39.5)から存在していましたので、Webexの議事録=録画というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、最近のバージョン(WBS41.5)から会議議事録という録画データとは別に文字データの管理ができるようになりました。
それぞれの違いは次の通りです。
まず注目いただきたいのは、会議議事録で出来ることの多さです。会議議事録であれば、1フレーズごとに音声を再生したり、誤変換があった場合にクラウド上で編集ができたりと議事録に必要なツールが各種揃っています。加えてワードクラウドという会議中のキーワードをピックアップして画像化してくれる面白い機能もあります。もともとSlidoで利用できた機能がWebexにも乗ってきたということかもしれません。
会議議事録の唯一の欠点としては、キーフレーズごとの映像再生ができないことです。会議議事録上で確認できるのは、文字データと音声データだけになりますので、映像の確認も必要な場合は、録画映像を再生し、経過時間と会議議事録の内容を照らし合わせる必要があります。その点、録画議事録は映像に合わせて文字データも流れていく仕様になっているので、映像と議事録を一緒に確認したいという場合には有用な議事録になっています。とはいえ、前述の通り録画議事録は現状日本語対応しておりませんので、日本での利用を想定する場合は「会議議事録」一択かなと思います。
もう一つ注目頂きたいのは、リアルタイム翻訳ライセンスの必要可否です。実は、録画議事録の方はリアルタイム翻訳ライセンス無しでご利用いただけます。と言いますのも、そもそも録画議事録のデータは、リアルタイム翻訳で取得したデータとは別物になっている為、ほとんどリアルタイム翻訳機能とは無関係な議事録機能になります。そういった意味では、日本語議事録に関しては「会議議事録」が標準的な使い方(議事録ツール)になると思います。
では次に、会議議事録の使い方についてご紹介していきたいと思います。
Cisco Webex会議議事録の使い方
まず初めにご注意いただきたいのですが、会議議事録を取得する為には、ミーティング中にリアルタイム翻訳を有効化に加えて、クラウド録画が必要です。クラウド録画をしていませんと、いくらミーティング中に字幕が表示されていても記録されませんので、ご注意ください。クラウド録画をしているミーティングは、ミーティング終了後に会議議事録が自動生成されます。
終了したミーティングの会議議事録は、ミーティングサイトの「カレンダー」からご確認いただけます。こちらに新しく「完了」というタブがあります。
こちらをクリックいただくと過去に開催した会議情報がご確認いただけます。会議議事録が取れているミーティングは、[音声テキスト]と表示があるミーティングです。
[音声テキスト]が表示されているコンテンツをクリックすると、コンテンツ内に「ハイライト」や「レビュー」といったタブが新たに表示されます。会議議事録は、「レビュー」タブからご確認いただけます。
会議議事録では、誰がいつどのような発言をしたのか分かるようになっています。こちらで表示される発言者の名前はミーティング中の表示名です。Room Kit などのデバイスはデバイスの登録名(ワークスペース名)が表示されます。「匿名」と表示される発言者は、動画コンテンツを共有した場合など、マイク音以外の音声で収録された音声です。
この中で誤字脱字があればフレーズにマウスオーバーし、編集ボタンから編集をすることができます。
こちらの議事録はテキストデータ(.vttもしくは.txtファイル)でダウンロードが可能です。特に表示名についてはクラウド上で編集いただけませんので、ダウンロードしたテキストデータで編集する必要があります。
以上が会議議事録の使い方になります。非常に簡単にお使いいただけますので、環境ございましたら是非一度お試しいただければと思います。
議事録機能については、Youtubeでの紹介やWebexヘルプセンターに記事もございますので、こちらも合わせてご確認いただければと思います。
・日本語文字起こしのYoutube動画(シスコ公式)
・会議議事録についてのWebexヘルプサイト記事
Meetings の顧客が作成したミーティング議事録をWebex アシスタント管理する
・録画議事録についてのWebexヘルプサイト記事
録画のトランスクリプトを Webex Meetings Webex Webinars、および Webex Events (クラシック) でオンにしてください。
今回は以上とさせていただきます。最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。
Ciscoの記事
- Collaboration 第142回 「超便利!Cisco Webex 会議端末設計ツール Workspace Designer のご紹介」
- Security 第77回「Cisco Secure Client Cloud Managementのご紹介」
- Meraki 第150回「Cisco Secure Connectから拠点のグローバルIPアドレスを使用してみた」
- Collaboration 第141回 「Cisco AI アシスタント(生成AIによる自動要約)を使ってみた その3 ~ 議事録ダウンロードについて ~」
- Security 第76回「Cisco Secure Endpoint 端末のネットワークから隔離について」
- Collaboration 第140回 「Cisco AI アシスタント(生成AIによる自動要約)を使ってみた その2 ~ Meetingsでの使い方 ~」