Cisco 担当者コラム
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Collaboration 第74回 「Cisco Webexトライアルライセンス発行のご紹介 その2~Webexエンタープライズトライアル発行手順~」
こんにちは。ディーアイエスサービス&ソリューション株式会社でシスココラボレーション製品の担当エンジニアをしております斎藤です。
前回、「Webexエンタープライズトライアル」についてご紹介致しました。Webexアプリの統合アップデートに向けて事前検証したい、という場合にも使える優秀なトライアルですので、発行条件を満たしている販売パートナー様は是非ご活用ください。発行手順もシンプルですので、今回はWebexエンタープライズトライアルの発行手順についてご紹介したいと思います。最後まで是非ご覧ください。
Webexエンタープライズトライアル発行手順
Webexエンタープライズトライアルは、Partner Hubから行うことができます。Partner HubはControl Hubを管理する為のポータルサイトで、Partner Hubへのアクセス権限をお持ちのアカウント(管理者)でアクセスすることができます。
まず、admin.webex.comにアクセスし、管理者アカウントでサインインします。
サインイン後、右上の「トライアルを開始」をクリックします。
「トライアルを開始」をクリックすると、Webexエンタープライズトライアルのポップアップ画面が表示されます。まずこちらにトライアル発行先の顧客情報を入力します。
入力項目は以下の4項目です。
・会社名(正式名称):会社名や部署名等のトライアル発行先組織の名称を入力します。こちらの情報はそのままControl Hubの組織名になります。日本語入力および後から変更も可能です。
・管理者メールアドレス:トライアル発行先のメールアドレスを入力します。トライアルは一旦、このメールアドレスのユーザを管理者とした組織で作成されます。管理者の変更やライセンスの割り当て先変更は、トライアル発行後に行うことができます。なお、こちらのメールアドレスには、gmailやyahooメール等のフリーメールアドレスを利用することもできます。
・業種:教育/エネルギー・電力/財務サービス/政府/ヘルスケア/ホスピタリティ・ホテルレジャー/製造/メディア・接待/非営利組織/専門サービス/小売業/サービスプロバイダ/テクニカルサービス/Technology/輸送/卸売・流通、の16業種から発行先組織に一番近い業種を選択します。こちらの項目は発行情報や組織情報に関係しない為、適当に選択しても問題ありません。
・国または地域:日本を含む205の国や地域から地区情報を選択します。こちらの項目は、利用するデータセンターにも関わってくる為、特に理由がなければ「日本」を選択します。
ちなみに、入力した管理者メールアドレスが、既に他のControl Hubに紐づいている場合、エラーとなり、次に進むことができません。エンドユーザ様にトライアル発行される際は、事前にいくつかメールアドレス候補をいただいた方がよいでしょう。
次に、発行するトライアルを設定します。こちらでは、ライセンスの種類/本数/期間を設定することができます。
まず、トライアルサービスのチェック項目から発行するライセンスを決定します。発行できるライセンスの種類と設定方法は以下の通りです。
・Webex Meetings Suiteライセンス:最大参加人数1000名キャパシティのMeetings/Events/Training/Supportがセットになったライセンスで、「Advancedメッセージング」「Advancedスペースミーティング」「Webex Meetings スイート1000」の3項目にチェックを入れることで発行できます。なお、Webex Meetings単品、Webex Events単品、Events 3000等の発行は出来ません。
・クラウド登録ライセンス:Room Kit 等のWebexデバイスを利用する為のライセンスで、「Cisco Webex Rooms デバイスとCisco Webex Desk デバイス」の1項目にチェックを入れることで発行できます。記載にありませんが、こちらのライセンスでWebex Boardの利用も可能です。
・Calling Professional and Workplaceライセンス:Webex Callingのユーザおよび固定電話を利用する為のライセンスで、「Webex Calling」の1項目にチェックを入れることで発行でききます。なお、A-FLEXのCallingライセンスは発行できず、ProfessionalとWorkplaceのライセンスは同数での提供になります。
・Webex Assistant & リアルタイム翻訳 オプションライセンス:Webex Meetingsの文字起こしおよび翻訳機能を利用する為のオプションライセンスで、「リアルタイム翻訳」と「ミーティングのCisco Webex Assistant」にチェックを入れます。なお、こちらの機能を利用するには、Webex Meetings Suiteライセンスと一緒に発行する必要があります。
一番ご要望が多いのは、Webex Meetingが利用したい、というケースかと思います。その場合は、Meetings Suiteライセンス発行の「Advancedメッセージング」「Advancedスペースミーティング」「Webex Meetingsスイート1000」の3項目にチェックを入れていただければOKです。
次に、ライセンス本数を設定します。デフォルト本数は、MeetingやCallingのユーザに紐づくライセンスが100式、Webexデバイスに紐づくライセンスが5式となっており、それぞれ最大1000式と20式まで構成することができます。
ここで注意していただきたいが2点あります。1点目が、100式を超えるトライアル発行では、環境構築に時間がかかり即発行いただけない場合があることです。2点目が、本トライアル環境を本番環境に移行することが想定される場合、本契約がトライアル発行本数より下回ってしまうとメーカー承認が下りない場合があることです(再度、新規び環境構築が必要)。
上記を踏まえますと、デフォルトでは100式となっていますが、発行本数はお客様の要望をヒアリングした上でしっかりと利用される本数のみ発行いただくことを推奨します。後から追加もできますので、取り急ぎ、ということであれば、5ライセンスくらいが適当かと思います。
最後に、トライアル期間を設定します。こちらは30日/60日/90日の3種類から期間をお選びいただけます。ただし、Webexデバイス用のライセンス発行がある場合は、60日発行は選択いただけませんのでご注意ください。特に指定がなければ、最長の90日を選択いただくのがよろしいかと思います。トライアルは管理者が手動で削除することが可能ですので、もし指定期間よりも短い期間をご希望の場合は、終了日に合わせてトライアル削除いただければ対応可能です。
次にWebex MeetingsのサイトURLを設定します。従業員がWebex Meetingsを利用する際に参照するURLとなりますので、組織に即した分かりやすいURLがオススメです。
なお、もしすでに使われているURLや無効なURLであった場合には、エラーメッセージが表示されます。こちらについても、エンドユーザ様側でURLに指定がある場合には、いくつか候補をいただいた方がよろしいかと思います。
次に通話とデバイス出荷のページが表示されますが、どちらも基本利用しないオプションとなりますので「スキップ」いただいて問題ありません。
これでトライアルライセンスの発行は完了です。最後に環境の初期セットアップ(プロビジョニング)を行います。この初期セットアップ作業は、エンドユーザ様でも実施いただけますが、難しい作業ではないので完了した状態でお渡しした方が丁寧です。
まず、発行したトライアル組織を選択し、「顧客のセットアップ」をクリックします。次から、「プランの確認」>「通話設定」>「エンタープライズ設定と」遷移しますが、基本的にはデフォルト値のまま「次へ」をクリックいただければ問題ありません。一点、エンタープライズ設定で、Webexデバイス発信用のドメイン(SIPアドレス)を設定する項目がありますが、通常Webex Meetingを利用する際に使うことは無い為、適当なドメインを設定いただいて問題ありません。サイトURLで設定したものと同じドメインを設定いただくと統一感が出るのでオススメです。これらが完了しましたら、最後に「完了」をクリックします。
これでトライアル発行から初期セットアップまで全ての作業が完了しました。発行したトライアルライセンスを確認したい場合は、左メニューの「アカウント」>右上「サブスクリプション」とクリックいただくことでライセンス内容をご確認いただけます。
いかがでしたでしょうか。遷移画面は多いものの、設定項目はほとんどありませんので、5〜10分程度の作業でトライアル発行できました。手軽に発行いただけますので、こちらの手順を参考に是非Webexエンタープライズトライアルを発行・活用いただければと思います。
WebexエンタープライズトライアルやWebex Meetingsの使い方については、Webexヘルプセンターにも詳細記事がございますので、こちらも合わせてご確認いただけますと幸いです。
・Webex Partner Hub で Webex エンタープライズ トライアルを開始して管理する
https://help.webex.com/ja-JP/article/eoe453/
・Webex Meetings 使い方
https://help.webex.com/ja-jp/landing/ld-nyw95a4
また、トライアル発行後のユーザの追加・登録やライセンスの割り当て方法につきましては、弊社からオリジナルのガイドをご用意しておりますので、こちらも併せてご確認ください。
・DISオリジナルコンフィグガイド
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/in/mss/cisco/tech/config_guide.html
今回は以上とさせていただきます。最後までご覧いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。
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