Cisco 担当者コラム
Cisco・Wireless
Wireless 第32回 「Catalyst9100シリーズ EWC-APのap-typeの切り替えについて」
今回は、9100シリーズEWC-APのap-typeとは何なのか?といった内容からap-typeの切り替え方法についてご紹介いたします。
まずは、ap-typeが何なのかと言いますと、アクセスポイントの動作モードのようなものとお考え下さい。
9100シリーズのアクセスポイントをEWC型番で購入された場合は、EWCとCAPWAPという2種類のap-typeをサポートしております。また、デフォルトではEWCイメージで動作し、ap-typeもEWCになっております。
これらのap-typeの違いとして、まずap-type EWCについてはもうお察しの通りかと思いますが、アクセスポイントの機能とアクセスポイント内部の仮想コントローラ機能をどちらも利用可能な動作モードの事です。
そしてap-type CAPWAPは、アクセスポイント機能のみ利用可能な動作モードの事です。
それぞれのap-typeの違いについて簡単に図でまとめると下記の様なイメージになります。
いえいえ、もちろんちゃんとap-type CAPWAPにも用途がございます!
ap-type CAPWAP の主な用途としましては、EWC型番のアクセスポイントをC9800シリーズなどのコントローラ専用機で管理させたい場合です。
実はap-type EWCのアクセスポイントは、C9800シリーズなどのコントローラ専用機で管理することが出来ません。理由としては、Ciscoでは同じネットワーク内にアクセスポイント内部の仮想コントローラとコントローラ専用機を混在させることができない仕様になっているからです。
その為、EWC型番のアクセスポイントをC9800シリーズなどのコントローラ専用機で管理させたい場合は、ap-typeをEWCからCAPWAPに切り替える必要が出てくるという事ですね。
では、ここからはどうやってap-type を切り替えるのかをCLIとGUIの場合に分けてご紹介させて頂きます。
まず、CLIの場合は、下記手順でap-typeをCAPWAPに変更する事ができます。
1.イメージが起動するとコントローラ側のCLIが立ち上がるので、下記コマンドを入力し、AP側のCLIにログインします。
---------------------------------------------------------
WLC>enable
WLC#wireless ewc-ap ap shell
Cisco@192.168.129.1's password:Cisco
---------------------------------------------------------
※上記設定例はUserneme/Passwordがデフォルトの場合です。
※「ssh: connect to host 192.168.129.1 port 22: Connection refused」のようなエラーが出た場合は、APを再起動後、コントローラのイメージが立ち上がる前に(WLC?>になる前に)手順2.を実施する必要がございます。
2.次にAP側のCLIで下記コマンドを入力し、ap-typeをCAPWAPに設定します。自動再起動後、ap-type CAPWAPに変更されます。
---------------------------------------------------------
Username:Cisco
Password:Cisco
AP>enable
Password:Cisco
AP#ap-type capwap
AP is the Master AP, system will need a reboot when ap type is changed to CAPWAP
. Do you want to proceed? (y/N) y
---------------------------------------------------------
※上記設定例はUserneme/Passwordがデフォルトの場合です。
続いてGUIの場合は、下記手順でap-typeをCAPWAPに変更する事ができます。
※EWCの初期セットアップが完了している事が前提となります。初期セットアップの詳細につきましては、Wireless 第23回 「Catalyst9100シリーズ紹介 EWC-AP初期セットアップ編」をご参照ください。
1.EWC-APのGUIにログイン後、プリファレンスの現在の設定モードをエキスパートに変更します。
2'.左メニューの 設定>ワイヤレス-アクセスポイントページより、ネットワークの移行をクリックし、新しいコントローラ専用機のホスト名を入力し、適用をクリックします。自動再起動後、ap-type CAPWAPに変更されます。
※コントローラIPアドレスの入力は任意です。
その為、EWC-APが複数台存在する場合は、あらかじめ手順2.で1台だけap-type CAPWAPに変更し、コントローラ専用機に繋がる事を確認した後、手順2'.を実施していただく事をおすすめ致します。
最後にap-type CAPWAPからap-type EWCに戻す方法もご紹介させて頂きます。
方法はかなり簡単です。下記手順で初期化する事でap-type EWCに戻すことが可能です。
1.アクセスポイントの電源投入直後にMode ボタンを押したままにします。
例えば、EWC型番ではない9100シリーズをEWCに変換したい場合は、過去にEWCイメージに変換した事が無い限り、OSイメージの入れ替えによる変換作業が必要になります。そちらの手順につきましては、下記ページをご参照ください。
https://community.cisco.com/t5/ã?¯ã?¤ã?¤ã?¬ã?&supl;-ã??ã?ã?¥ã?¡ã?³ã??/cisco-catalyst-9100-series-ap-ã??-ewc-ã?«å¤?æ??ã??ã??æ?&supl;æ³?/ta-p/4117441
よくあるap-typeの切り替えが必要になるシチュエーションとしては、本当はコントローラ専用機で管理される事を希望されていたのに納期の関係などでやむを得ずEWC型番をご購入頂いた場合や、当初EWCで導入していたが、後に会社の規模が大きくなったことでAPの台数が100台以上となり、コントローラ専用機を導入するケースなどがございます。
このようなケースでは、今回の内容が必ずお役に立つかと思いますので、是非覚えておいて頂ければと思います!
今回は以上となります。
引き続きよろしくお願い致します。
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