動き出しが早いほど受注が増える
Windows 11マイグレーション・ビジネス

~心得その3~ パフォーマンス重視の提案でビジネスを伸ばす

Windows 10 EOS ビジネスは早いもの勝ち

このシリーズでは、約4,700名が来場した「DISわぁるど in 姫路」(2023年11月8日・9日開催)でのインテルの展示ブースで実施したアンケート調査から、Windows 10サポート終了に対する認識や、その対策であるWindows 11移行への取り組みの現状をレポートしている。今回はWindows 11への移行にあたり、どのようなPCが選ばれるのかをについて考察する。

インテルの第13世代
Core i7プロセッサー搭載PCの要望が多い

Windows 11への移行促進に携わる関係者の話によると、Windows 10EOS(サポート終了)に伴うWindows 11への移行のペースは、Windows 7からWindows 10への移行時と比較して半年ほど前倒しで進められているという話を伺った。以前のEOSに伴うPCのリプレースでは、コロナ禍以前でリモートワーク対応やWeb会議の利用といったトピックがなかったため、パフォーマンスを重視する傾向はそれほど強くはなかったように記憶している。
ところが今回のPCのリプレースでは、Web会議の利用をはじめ、AIの活用など、PCにパフォーマンスを求める要素が含まれる。ちなみに現在のAIはクラウド上のサービスを利用する形態となっているが、今後はPCのローカルに蓄積されているデータや、企業の社内で管理されているデータなどにAIを適用して活用することも進められており、Web会議だけではなくエッジでのAIの活用に向けてPCに相応のパフォーマンスを求める傾向が強まっている。
DISわぁるど in 姫路でのインテルの展示ブースで実施したアンケート調査によると、Windows 10EOSを受けてすでにPCをリプレースしている企業では、回答者の42.1%が「旧PCの性能不足」を早期に対応した理由として挙げている。つまり、現在のPCの利用環境においてWindows 7EOS時に導入したPCでは、業務に支障をきたすケースが見られるということがうかがえる。

性能不足でPC入替を実施

ではどのようなPCが望まれているのだろうか。リプレースするPCを提案するにあたり、選定するポイントとして「メーカー」「価格」「先方の意向」「CPU性能」「セキュリティ」など7項目を示して複数回答で質問した。その結果、価格(回答者の76.6%が選択)は当然のことながら、53.2%の回答者がメーカーとCPU性能を選択した。
さらに最も重視するポイントを一つだけ回答する質問では、価格の42.7%に次いでCPU性能が18.5%を占め、パフォーマンスを重視する傾向が表れた。

選定ポイント
最も重視するポイントは価格

パフォーマンス重視の傾向はCPUの選択にも表れている。主に選定するCPUのタイプについての質問では、60.9%がインテルの「Core i5プロセッサー」を選択すると回答した。さらに注目したいのはよりハイパフォーマンスな「Core i7プロセッサー」を選択すると回答した人が27.3%もいたことだ。
また世代についても、40%もの人がほぼ最新となる「第13世代」を選択すると回答しており、PCの選択において価格を重視しながらも、PCをモダン化することにも積極的であることがわかった。

主に選定するCPUのタイプ
主に選定するCPUの世代

またPCを提案するにあたり、効果的なアプローチについての質問に対して、コストパフォーマンス重視の提案を選択した人が44.4%と最多であったが、一方でパフォーマンス重視の提案を選択した人が37.1%おり、今回のEOSに伴うPCのリプレースではパフォーマンス重視の提案によって売上あるいは利益の向上を目指すことも可能であることがうかがえた。

どのようなアプローチが効果的か

AI活用、セキュリティの
強化、保守・管理の効率化で差別化を図る

インテルはAIの活用と省電力に威力を発揮する最新のCPUとなる「Core Ultraプロセッサー」も発売している。Core Ultraには最新のCPUとGPUが搭載されることに加えて、AI処理専用のNPU(Neural network Processing Unit)も搭載している。第13世代のCoreプロセッサーと比較して、AI処理が格段に高速化している上に消費電力も抑えている。
今後は業務のあらゆるシーンでAIが活用されるようになることは確実で、しかもユーザーが気付かないうちにAIが活用されている機能も増えていく。そうした環境がWindows 10EOSの期日を迎える前に本格化するだろう。AIを活用することで業務の生産性が大幅に向上でき、創造性も高まることはすでに知られているAIを利用するメリットだ。Windows 10EOSに伴うPCのリプレースを機会に、AIに対応した新しい「AI PC」を提案することも売上あるいは利益の向上につながる。
またつい最近、AI処理専用のNPUが搭載されたCore Ultraプロセッサーに「vProプラットフォーム」対応製品も発表された。この最新のvProプラットフォームに対応したPCを導入するだけでセキュリティが大幅に強化できる。さらにPCを遠隔地からリモートで故障対応したり、セキュリティの管理をしたりできる機能も提供されている。こうしたvProプラットフォームの機能を利用することで、独自のサブスクリプションサービスを提供することも可能だ。
サイバーセキュリティのリスクが深刻化する中でセキュリティ対策の強化と、人手不足を補うPCの管理業務の効率化を訴求し、vProプラットフォーム対応PCを提案することで、顧客にとって頼れるパートナーになれるはずだ。