VMware 担当者コラム
VMware・データセンター仮想化
2Node vSAN構築奮闘記 -その(6)Witness Applianceの変更編-
皆さま、こんにちは。
VMware担当の田畑です。
今回のコラムでは、2Node vSANの構築の際に発生したトラブルシューティングについて「おまけ編」と言う形でご紹介させていただきます。
前回のコラムもぜひご確認ください。
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(1)概要編-」
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(2)Witness Appliance作成編-」
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(3)ネットワーク設定編-」
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(4)vSAN有効化編-」
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(5)その他(vSphere HA設定、ディスクグループ管理等)編-」
「今回行った内容」
今回は2Node vSANに登録したWitness Applianceの変更手順のご紹介になります。
VMware vSAN 2 Node Guideに従い設定を行っていきましたので、その内容についてご紹介いたします。
詳細は下記URLをご確認ください。
・Using a vSAN Witness Appliance - 「Setup Step 1: Deploy the vSAN Witness Appliance」
https://storagehub.vmware.com/t/vsan-2-node-guide/setup-step-1-deploy-the-vsan-witness-appliance-2/
・Failure Scenarios - 「Replacing a Failed vSAN Witness Host」
https://storagehub.vmware.com/t/vsan-2-node-guide/replacing-a-failed-vsan-witness-host/
「1つ目のトラブル」
まずは、「Witness Applianceのライセンス割り当て解除」によるトラブルになります。
2Node vSAN構築奮闘記その(2)にてWitness Applianceの作成を行いましたが、
その際にWitness Applianceには、専用の特別なライセンスが既に割り当たっていると説明いたしました。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_1.png)
その後ライセンスの確認をしていた際に、誤って割り当てを外してしまいました。
「また同じライセンスを割り当て直すだけ」と考えていたのですが、Witness Appliance専用のライセンスは1度割り当てから外してしまった場合、元に戻せないことが判明しました・・・
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_2.png)
「対処法」
ここからWitness Applianceのライセンス割り当て解除を行った場合の対処法を紹介いたします。
手順は2通りになります。
「新規Witness Applianceのデプロイ」 → 「Witness Applianceの登録変更」
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新規Witness Applianceのデプロイ
まず2Node vSANに登録されているWitness Applianceとは別に新規のWitness Applianceを作成します。
作成手順については第2回で紹介させていただきました内容をご確認ください。
「2Node vSAN構築奮闘記 -その(2)Witness Appliance作成編-」 -
Witness Applianceの登録変更
Witness Applianceが作成できたら、2Node vSAN用に登録しているものから新しいWitness Applianceへ変更していきます。
Cluster→「設定」タブ→vSAN→フォールトドメインに移動します。
監視ホストのところで、「監視ホストの変更」をクリックします。「監視ホストの変更」ウィザードが表示されます。
ここからの操作に関しては、「2Node vSAN構築奮闘記 -その(4)vSAN有効化編-」の「監視ホストの選択」と同様のものになります。
ここで新規作成したWitness Applianceを選択します。
「監視ホストの要件」を満たしていれば「互換性チェックは成功しました」と表示されます。次にWitness Applianceのキャッシュとキャパシティを割り当てます。
最後に設定内容を確認したら終了をクリックします。
Witness Applianceの変更は以上であり、作業自体は非常に簡単なものになります。
「2つ目のトラブル」
しかし、今回特に複雑であったのは「Witness ApplianceのIPアドレス」についてでした。
その内容とは、「再登録後のWitness ApplianceのIPアドレスは同一の物を利用したい」場面です。
実際に私が構築する環境は、IPアドレスは変更できない環境でしたので、今回IPアドレスの変更手順についてもご紹介いたします。
「対処法」
まず、今回ライセンスキーの割り当てを外してしまったWitness Applianceを「Witness A」とし、仮に「192.168.10.1」のIPアドレスを当てていたとします。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_9.png)
その次に「Witness B」として新しいWitness Applianceを作成し、2Node vSANへの登録を変更します。
その際Witness BにはWitness Aと異なるIPアドレス、ホスト名、仮想マシン名を割り当てる必要があります。
Witness ApplianceのIPアドレスやホスト名は、vCenter ServerからWebコンソールまたはRemote Consoleを起動し変更します。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_10.png)
下図では仮で「192.168.10.2」としています。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_11.png)
Witness Bが2Node vSANに登録できたら、Witness Aの仮想マシンを削除します。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_12.png)
最後に再び新規Witness Applianceを作成し、2Node vSANへの登録を変更します。
その際、IPアドレス、ホスト名、仮想マシン名をライセンスキーの割り当てを外してしまったWitness Applianceと同じものに設定することで、元通りの環境に戻すことができます。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_13.png)
最後にWitness Bの仮想マシンを削除し完成です。
![](/portal/page/out/secolumn/vmware/column89_14.png)
上記対処法の注意点として、一時的ではありますがWitness Applianceが2台動作するためのリソースと、IPアドレスが必要になることです。
今回のコラムはここまでになります。
本コラムが皆さまのお役に立てることができれば幸いです。
VMwareの記事
![](/portal/page/out/mss/vmware/pic/blog_mss_vmware_link.png)
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