2Node vSAN構築奮闘記 -その(5)その他(vSphere HA設定、ディスクグループ管理等)編-

皆さま、こんにちは。
VMware担当の田畑です。

今回のコラムでは前回から引き続き、2Node vSANの構築をご紹介していきます!
前回のコラムもぜひご確認ください。
2Node vSAN構築奮闘記 -その(1)概要編-
2Node vSAN構築奮闘記 -その(2)Witness Appliance作成編-
2Node vSAN構築奮闘記 -その(3)ネットワーク設定編-
2Node vSAN構築奮闘記 -その(4)vSAN有効化編-
また、vSAN構築作業の概要は下記になります。
1. Witness Applianceの作成  →完了
2. vSAN用ネットワークの設定  →完了
3. vSANの有効化  →完了
4. その他(vSphere HAの設定、ディスクグループの管理等)  ←今回はココ!

前回までにご紹介してきたコラムにてvSANの有効化が完了しました。
本コラムは最終回として、vSANを構築した後の設定等について説明していきます。
今回実施した内容は下記3点になります。
・仮想マシン作成テスト
・vSphere HAの有効化
・ディスクグループの管理

仮想マシン作成テスト

有効化されたvSANが正常かどうかを確認するため、まず初めにvSANの健全性をチェックします。
クラスタ→監視タブ→vSANのSkyline健全性を選択します。

※警告があがっている場合はその内容を確認し、対応する形になります。

※vSAN Skyline健全性で確認できる項目は下記URLをご確認ください。
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.vsphere.vsan-monitoring.doc/GUID-B0A8BF17-E3FB-421A-AC1A-8C1EC27294D5.html

次に仮想マシンの作成テストを行います。
先ほどと同じく監視タブから「プロアクティブテスト」を選択し、「仮想マシン作成テスト」にチェックを入れ「実行」をクリックします。

下記のようなウィザードが表示されますので、「実行」をクリックします。

正常にテストが行われた場合、仮想マシン作成テストの前回の実行結果が「パス」と表示されます。
また、画面下部ではより詳細な結果が表示されています。
各ノードそれぞれに仮想マシンが正常に作成、削除されたことを確認するためのテストになります。

vSphere HAの有効化

2Node vSANのHA構成に関しては、VMware vSAN 2 Node Guideに従って設定を行いました。
詳細は下記URLの「Cluster Settings ? vSphere HA」をご確認ください。
https://storagehub.vmware.com/t/vsan-2-node-guide/cluster-settings-vsphere-ha-4/

HAの有効化はクラスタ→設定タブ→vSphereの可用性から行います。
※下記キャプチャでは既にHAを有効化しています。今回は2Node vSANでHAを構成する際の設定内容についてご紹介させていただきます。

まず初めに2Node vSANで推奨されているHAの設定をご紹介します。

vSphere HA オンにする
ホストの監視 有効
APD状態のデータストア デフォルトで無効
仮想マシンの監視 デフォルトで無効
アドミッションコントロール 50%
ホスト隔離 無効
データストアハートビート 「指定されたリストからのみデータストアを使用する」を選択
※ただしリストに表示されるデータストアを選択しない。

次にそれぞれの設定について詳しく説明していきます。
まずクラスタ設定の編集ウィザードの「障害及び対応」タブから説明します。
(1)「ホスト監視の有効化」
  ホストの監視は必ず有効化します。ホストの障害対応については「仮想マシンを再起動」にし、詳細の設定等は必要に応じて設定を行います。
(2)「ホスト隔離への対応」
  2Node vSAN直結接続構成の場合、vSANネットワークで有効な隔離アドレスを構成できないため、
  ホスト隔離への対応を「無効」にすることが推奨されています。
  ※2Node直結接続は特殊なパターンとなりますのでご注意ください。
(3)「PDL状態のデータストア」「APD状態のデータストア」
  デフォルトで無効になっています。こちらは無効のままにしておくことが推奨とされています。
  ※詳細は下記URLをご確認ください。
  https://storagehub.vmware.com/t/vsan-2-node-guide/host-hardware-monitoring-vm-component-protection-4/
(4)「仮想マシンの監視」
  デフォルトで無効となっています。こちらは必要に応じて設定を行います。

次に「アドミッションコントロール」タブを選択します。
2Node vSANではホストのフェイルオーバーキャパシティの定義基準を「クラスタリソースの割合(%)」にし、CPUとメモリ共に50%に設定することが推奨とされています。

次に「ハートビートデータストア」タブを選択します。
一般的にvSAN環境では、vSANデータストア以外の追加のデータストアは利用できません。また、vSANデータストアはハートビートに使用できないため、ハートビートデータストアを無効にすることが推奨されています。
ハートビートデータベース選択ポリシーから「指定したリストからのデータストアのみを使用する」にチェックを入れ、使用可能なハートビートデータストア欄に何も表示されない、もしくは、リストに表示されたデータストアを選択しないことによって、ハートビートデータストアを無効にできます。

ディスクグループの管理

第4回のコラムでvSANを有効化する際に、ディスクグループの設定を下記の様にしておりました。
※詳しくは前回のコラムをご確認ください。

そこで、前回要求していない4本のディスク(HDD)をディスクグループに追加する手順を紹介していきます。
ディスクグループの管理は、クラスタ→設定タブ→vSAN→ディスク管理の順に選択していき、「未使用のディスクの要求」をクリックします。

すると、「vSAN用の未使用のディスクの要求」ウィザードが表示されます。
(1)前回要求していなかった4本のディスクが表示されます。
   4本のディスクに対して、要求対象を「キャパシティ層」、ドライブのタイプを「HDD」にします。
(2)正しくディスクグループを構成できていれば、「正しい構成」と表示されます。
(3)要求された容量が17.47TBから26.20TBになり、要求されていないストレージの容量が8.73TBから0Bになっていることが確認できます。

設定後のディスクグループのイメージ図は下記になります。

今回のコラムはここまでになります。
以上で全5回に分けて紹介してきた2Node vSAN構築奮闘記は終わりとなります!
本コラムが皆さまのお役に立てることができれば幸いです。

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