vCenter Serverのファイルベースバックアップとリストアの手順 Part1

皆さま、こんにちは。
VMware担当の河野です。

今回は、vCenter Serverの標準機能であるファイルベースバックアップを使用して、バックアップとリストアの検証を行いましたので、その手順と注意点をご紹介したいと思います。

■サポートされるプロトコル

vCenter Serverのファイルベースバックアップでサポートされるプロトコルは以下の通りとなります。
・FTP
・FTPS
・HTTP
・HTTPS
・NFS
・SCP
・SMB
※参考サイト
<vCenter Server Appliance のファイルベースのバックアップとリストア>
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.7/com.vmware.vcenter.install.doc/GUID-3EAED005-B0A3-40CF-B40D-85AD247D7EA4.html

■注意事項

vCenter Serverのファイルベースバックアップを利用する上での注意事項です。

  • NFSとSMBはvCenter Server Appliance GUI インストーラをサポートしない

    NFS または SMBプロトコルを使用したvCenter Serverのファイルベースバックアップは、GUIでのリストアをサポートしないため、vCenter Server Appliance の管理 API を使用する必要が出てきます。vCenter Server Appliance GUIインストーラを用いてのリストアを想定している方はその他のプロトコルを選択するようにしましょう。

  • vCenter Server のイメージバックアップとリストアの廃止

    今回のコラムとは少し話がそれますが、vCenter Serverのイメージバックアップとリストアが、vSphere 7で廃止となります。検討されていた方は、今回紹介するvCenter Serverのファイルベースのバックアップに変更するか、サードパーティの製品を利用しましょう。

その他、考慮事項は以下のサイトに記載されていますので、ご参考下さい。
<ファイルベースのバックアップとリストアに関する考慮事項と制限>
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.7/com.vmware.vcenter.install.doc/GUID-AFF34FA6-B7CF-4AE0-9C12-C674F160682C.html

■検証環境

今回行った検証環境は以下の通りです。

・ESXiのバージョン:6.7.0, 13006603
・vCenter Serverのバージョン:6.7.0, 13639324
・使用するプロトコル:FTPS
・バックアップ先サーバー:Windows Server 2016上に構築したFTPサーバー

以下は検証環境のイメージ図です。
vCenter Server(172.22.2.101)からFTPサーバー(172.22.2.183)へファイルべースバックアップを行います。

■バックアップ前のvCenter Server

正常にバックアップ及びリストアができるかを確認する為、バックアップ前のvCenter Serverの設定をいくつか確認しておきます。
今回確認した設定項目は以下の4つです。

  • 有効化したvSphere HAの設定
  • 登録されているホストと仮想マシン
    (ホスト2台、仮想マシン16台)
  • SSOの設定
  • 登録されているライセンスキー

■バックアップ手順

それでは本題のバックアップ手順をご紹介していきます。

  • vCenter Server Appliance 管理インターフェイスにログインする

    vCenter Serverのファイルベースバックアップを利用する際には、仮想マシン等を管理するvSphere Clientではなく、vCenter Server Appliance 管理インターフェイスで操作する必要があります。vCenter Server Appliance 管理インターフェイスは、(https://<vCenterのIP addressもしくはFQDN>:5480)でアクセスし、rootアカウントでログインします。

  • バックアップスケジュールを作成する

    バックアップ先と、スケジュールの設定を行います。
    「バックアップ」を選択し、右上の「設定」をクリックします。

    以下のように必要情報を入力し、「作成」をクリックしてバックアップスケジュールを作成します。

  • バックアップの手動実行

    vCenter Serverのファイルベースバックアップは手動実行が可能です。
    「バックアップ」を選択し、「今すぐバックアップ」をクリックします。

    以下のように必要情報を入力し、「起動」をクリックしてバックアップの手動実行を開始します。

    以下のように、アクティビティにバックアップ完了のログが出れば、バックアップの手動実行は完了です。ちなみに、今回のバックアップ時間は約5分でした。

  • バックアップの確認

    バックアップ完了のログを確認しましたが、念のためFTPサーバーにバックアップデータが正常に取れているか確認します。

    以下はFTP接続時のホームディレクトリのプロパティです。バックアップ後に容量が増えているのが確認できます。

    バックアップされたデータは、(<FTPのホームディレクトリ>/vCenter/sn_<vCenterのホスト名>/…)の下に自動で保存されていました。
    ちなみに、バックアップフォルダ名の最初のアルファベットがSの場合はスケジュール、Mの場合が手動で、それぞれバックアップした場合のバックアップデータとなります。

    フォルダの中身は以下のようになっています。メタデータが格納されているjsonファイルと、実データが格納されているgzファイルが確認できます。

    以上でバックアップが取れていることを確認できました。

今回はここまで。
次回は、バックアップしたデータで正常にリストアできるのか、また元の設定に戻せるのか、検証結果とその手順をご紹介する予定です。

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