VeloCloudの提案ポイントについて

こんにちは、VMware担当の及川です。

今回もVMware SD-WAN by VeloCloudについて、取り上げていきます。お題は、VeloCloudで解決可能ないくつかの課題についてのアプローチをご紹介します。

クラウドの時代では、旧来のWAN環境では通信が非効率となっているケースがあります。クラウドの良さというのは、「安価」、「すぐに利用できる」点がポイントです。そのようなクラウドの俊敏性に柔軟に対応するためには従来のWANの方式だけでは限界があります。これからは、クラウドの利用に合わせた適切なWAN環境が求められております。3つのケースに絞って今回はお伝えします!

<ケース1>多拠点展開をしており、ネットワークの構築に時間がかかっている

VeloCloudでは全て管理をOrchestrator(クラウドにある管理コンポーネント)で行っています。そのため、設定・管理・監視についても一元に行うことが可能です。

ただし、エッジデバイスについては、物理的なルーターもしくは、Virtual Applianceが必要になります。
となると、設置設定作業が必要ですよね?従来のネットワークでは、全ての拠点にネットワーク専属のエンジニアを配備し、構築する必要があったため、利用可能になるまでにかなり時間を要しました。VeloCloudを使うと、お察しの通りネットワーク専属のSEでなくても、設置が可能となります。
手順は、以下の通りとなります。

  1. Edgeの設定をOrchestratorから実施
  2. アクティベーションキーをメールにて担当者に送付
  3. 工場出荷状態のデバイスに配線を行い、電源を入れる。
  4. Edgeが提供するWifiもしくは、有線ポートに設定端末を接続
  5. アクティベーションメールに記載のあるリンクをクリック
設置設定作業手順

ゼロタッチプロビジョニングデモ動画
https://www.youtube.com/watch?v=MoVvsVzc88E

このように専属のSEでなくても、各拠店担当者がデバイスを配置し、設定についてはクラウドから流し込みができますので、すぐに利用可能です。
また、IaaSなどのクラウドを利用する際もメリットがございます。クラウドとオンプレ間をVPNで接続するには複数の製品知識が必要です。以前私も、オンプレとクラウド間をIP-SecでVPNを張った際は、AzureやAWSで利用可能なVPNのポリシーを確認し、オンプレのVPNルーター側ではデバッグしながら1つ1つ問題を解決し、繋げました。もちろんネットワークエンジニアの力を借りて対応しました。
VeloCloudを使えば、同一製品間でのVPN接続になりますので、同じ製品知識でVPN接続が可能です。また、VPNの有効化を行い、拠点を登録し、Enableにチェックするだけで簡単に拠点間VPNを張ることができます。この機能をCloud VPNと呼んでいます。

Cloud VPN

<ケース2>クラウド向けトラフィックの増大

良く問い合わせがあるケースとしては、Office365やリモートワークの導入によるトラフィックの増大です。ユーザーはいつでもどこでもメール、ファイル共有が利用でき、情報共有もTeamsなどを使って、すぐにコミュニケーションできるようになっています。弊社でも全国に営業拠点があるため、毎日リモート会議やファイル共有を行っています。利便性は高まりましたが、音声やビデオメディアストリームのトラフィックの増大で、従来のデータセンターからインターネットに抜けさせるネットワーク設計ではトラフィックが集中し、さらに利用するアプリケーションが増えると今のまま利用するには非効率です。また、コロナウイルスによって、リモートワークを急ピッチで進められた企業もあるかと思いますが、Twitterなどを見ていると、ユーザー対応に追われている企業も多くあります。

トラフィックの増大

従来のルーターを利用している場合、クラウドの利用に応じて閉域網の回線を増やすしか方法がありませんが、高コストな選択肢となってしまいます。
そこで、ローカルブレイクアウトを使って、特定のアプリケーションのみ、拠点から直接インターネットにアクセスさせることでこの問題を解決します。VeloCloudでは、Office365やSalesforceなどアプリケーションを認識することが可能となります。このアプリケーション識別機能は従来のルーターでは実現できなかった機能です。この機能をDeep Application Recognition(DAR)と呼びます。

ディープ アプリケーション レコグニション(DAR)

これを用いて、アプリを識別し、直接インターネットに出してもいいアプリケーションについては、ブランチから直接インターネットに抜けさせることで、データセンターのルーターに集中していたネットワークを分散させることが可能です
従来型のルーターでは追加の回線を購入し、回線を太くする方法しかありませんでしたが、VeloCloudでは今利用している回線を生かし、データセンターへのトラフィックの集中を防ぐことが可能です。

<ケース3>閉域網の回線コストを抑える&インターネット回線品質を向上させたい

VeloCloudでは、Dynamic Multi-Path Optimization(DMPO)を使うことで、MPLSやインターネット、LTE上のアプリケーション高性能を担保することが可能となります。そのために、複数の異なるWAN回線を束ねることで帯域を増やし、アプリケーションを常に監視することで、最適なパスを判断し、振り分けを行うことで、高パフォーマンスなインターネット回線をアプリケーションに提供します。
また、遅延、ジッター、パケットロスを見て品質の劣化を検知した際には、FEC(Forward Error Correction)が発動し、回線品質の補正を動的に行うことで、通信の品質を高めています。この回線の品質をチェックする機能も従来のルーターには備わっていない機能です。VeloCloudでは、VeloCloud Quality Scoreを使って、品質をスコアで表現しています。

いかがでしたでしょうか?
クラウドを導入されているお客様や多拠点で展開しているお客様のネットワーク環境で課題をお持ちのお客様がいらっしゃれば是非ご提案ください。

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