VMware 担当者コラム
VMware・その他
VMware Explore 2022にて発表された各種新製品について
こんにちは、VMware担当の及川です。
今回はアメリカで行われた、VMware Exploreにて発表された新製品などを中心に ご紹介させて頂きます。今まではVMworldという名前で、イベントが開催されておりましたが、今年からExploreと名前が変更されています。
General Sessionについては、以下のサイトより視聴可能です。
https://www.vmware.com/explore/video-library/video-landing.html?sessionid=1656067779039001lAIM
※視聴するには、VMware IDにてログインする必要があります。
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なるべく正確に情報を伝えるよう努力しておりますが、変更など発生が生じるケースもございますので、予めご了承ください。本内容については、上記動画を元に作成しております。
■VMwareのビジョンについて
Closs-Cloud ServiceによるCLOUD SMART化が今回の大きなテーマでした。
VMwareではこのCLOUD SMARTを実現するためのソリューションに力を入れており、 Cloud化による複雑化されたシステムを、VMwareのCloss-Cloud Serviceによって、アプリ開発の促進、一貫性のある運用、既存アプリとの親和性を高めるという話をされておりました。
では、早速セッションの内容について見ていきましょう。
CEOである、Raghu Raghuramが登壇します。
はじめに、Exploreへの名前変更について説明がありました。
500万人の開発者が、SPRING PLATFORMを利用し、週に350,000の新しいプロジェクトを立ち上げ、1分あたり35個の新しいアプリケーションが作られており、世界中で8,500万台のworkloadが稼働している。
コミュニティは全ての新しいビジネスのために、デジタルの未来のために走っています。VMwareはパートナーに寄り添って一緒になってこれらの問題を解決していく。そして、様々な役割の人が、データセンターだけではなく、クロスクラウドやエッジも含めマルチクラウドのコミュニティが必要になっていくと話している。これを受けて、VMwareはVMworldからVMware Exploreに名前を変更しました。 VMware Exploreは、今後、マルチクラウドコミュニティのためのイベントとして開催されます。このイベントは、VMwareの製品やサービスについて学ぶだけでなく、マルチクラウドコミュニティのためのイベントです。という、イベントの趣旨を大きく変更したという内容を発表していました。
次に、ブロードコムによるVMwareの買収を発表しました。BroadcomのCEOもイベントに参加されておりました。
ここからは、新たなクラウドジャーニーについてです。
CLOUD FIRSTは大きな成功をしましたが、様々なCEOにヒアリングすると、次のステップとして、クラウドのThe Great Re-Platformingがあげられます。しかしながら、様々な課題があり、迅速に対応できていないのが実情です。
具体的には、3つの要因があげられます。
「開発者のスキル不足」
「エンタープライズ アプリケーションの重み」
「断片化した運用とセキュリティ」
今まさにCLOUD CHAOSが起きています。これは、開発、運用、セキュリティ、クラウドインフラのサイロ化、アプリの利用体験の断片化など様々な要因がもたらしています。
これらを踏まえ、CLOUD SMARTを目指す必要があります。
CLOUD SMARTとはDXとマルチクラウドに対して計画的なアプローチができることです。
具体的な解決内容としては3点あります。
① アプリケーション開発を加速
ベースのコスト、その際の技術要員、ガバナンス、データアクセスなどの課題をクリアし、軽いアプリケーションを軽量なクラウドで動かす環境が必要です。また、統一された開発者エクスペリエンスに投資し、構築する場所に関係なくアプリケーションを展開できることが求められ、それは、開発者の生産性を向上させることができます。
② 一貫性のあるエンタープライズインフラストラクチャ
全てのエンタープライズアプリケーションは、一貫性のあるインフラストラクチャで動かす必要があり、それには回復力、セキュリティ、コスト効率、そして、データセンター、エッジ、クラウドなど選択に応じた、どこでも稼働させることができ、同じオペレーションモデルで運用できる必要があります。
③ 摩擦のない優れたエクスペリエンス
従業員が様々なアプリケーションを使用する場合、従来のアプリケーションがデータセンターにあったり、SaaSとして新しいクラウドネイティブアプリケーションで提供されていたり、これらの摩擦を消す必要があります。従業員が生産性を飛躍的に向上させることができるように、摩擦のない体験が必要です。
VMwareはCloss-Cloud Servicesで、CLOUD SMARTを加速させます。今年は、それに対する製品を提供できるため、とても興奮していますということでした。
■新製品関連
ここからは、発表された各製品について紹介します。
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Tanzu関連
OpenShiftやEKSなどデプロイ先のKubernetes環境が拡張されましたので、まさにプラットフォームを意識することなく、アプリケーションの展開の加速に繋がると感じました。
VMware Tanzu Application Platform 1.3
• Dynamic API Registration
• Security Vulnerability Dashboard
• エコシステムCarbon Black、Jenkins、SDPDXの拡張
• コンテナのプラットフォームとして、OpenShiftのサポートVMware Tanzu for Kubernetes Operations
• Tanzu Mission Controlの中に、AWSのEKSのLifecycle Managementが追加
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VMware Aria
vRealize系の製品、Cloud Health、Skylineなどが統合され、名称がリブランディングされ、新たにAriaという製品群になります。詳細は、以下URLがまとまっておりますので、是非ご一読ください。オンプレミスもクラウドもどちらの環境も一つのコンソール上から可視化できるようになります。また、データがVMware Aria Graphに集約されますので、ここからAPIを使ってデータの利活用にも繋がります。
• VMware Aria Automation (formerly, vRealize Automation)
• VMware Aria Operations (formerly, vRealize Operations)
• VMware Aria Operations for Networks (formerly, vRealize Network Insight)
• VMware Aria Operations for Logs (formerly, vRealize Log Insight)
• VMware Aria Operations for Secure Clouds (formerly, CloudHealth Secure State)
• VMware Aria Cost powered by CloudHealth (formerly, CloudHealth) • VMware Skyline -
VMware vSphere 8
vSphereの新バージョン8の発表です。
目玉機能としては、DPUの対応が発表されました。CPUはより、仮想マシンへのリソースとして有効活用され、DPU側にネットワークやセキュリティ機能などオフロードできるようになります。コア課金のソフトウェアが増えているため、CPUコアの有効活用は重要なポイントとなります。
他にも、様々な機能拡張が行われております。• Data Processing Units(DPU)の対応
• VMware Tanzu Kubernetes Grid 2.0
• vSphere+によるクラウドコンソールからの管理
• 認証の拡張(Tanzu Kubernetes関連)
• Lifecycle managementの機能拡張
• vTPMのWindows11向けのアップデート
• DRSの拡張
• セキュリティの強化(TLS1.2のみやSSHセッションの自動切断など)など
詳細につきましては、以下URLより確認ください。 -
VMware vSAN 8
新しい、Express Storage Architectureが発表されました。これにより、Native Snapshotなど新たな機能も実装されます。Native Snapshotは待ちに待った機能ですね!また、Erasure Codingを使ってもパフォーマンスが落ちないという点はとても嬉しいです。
• 最新ストレージデバイス向けのExpress Storage Architecture
• パフォーマンスの向上 -
VMware Cloud on AWS関連
ストレージ関連のアップデートでした。
•VMware Cloud Flex Storage
•Amazon FSx for NetApp ONTAPVMware Cloud on AWSのストレージ領域は、vSANデータストアのみでした(別ストレージシステムのデータストアは選択肢がありませんでした)が、データストアとして、Cloud Flex StorageとFSxを追加できるようになります。これにより、ストレージの容量の拡張が対応できますし、柔軟なインフラが利用できるようになります。
Cloud Flex Storageは、VMware Cloud Disaster Recoveryのクラウドストレージとして利用されていたものと同じものとなります。
また、FSx for NetApp ONTAPは、オンプレミスのONTAPと同じONTAP CLI(一部制限あり)を利用できます。NetAppのエンジニアは、今までのスキル(SnapshotやSnapMirrorなど)を用いて運用することもできますので学習コストを抑えられるのもメリットとして挙げられます。また、新たなベアメタルインスタンス対応の発表です。
• Amazon EC2 I4i Instance
128 vCPUコア、1TiBメモリ、30TiBのAWS Nitro SSDストレージ
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VMware Cloud Flex Compute
Previewとなりますが、リソース単位で利用ができるサービスのようです。
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VMware Edge Compute Stack 2.0
• Tanzu Kubernetes Grid 2.0対応
• AI/ML関連の機能拡張
• リアルタイムワークロード密度の向上
• デバイスエッジの有効化(ARM、Atom、および Core (i3/i5/i7/i9) プロセッサ ベースのデバイス エッジ ハードウェアのサポート) -
Anyware Workspace関連
• VMware Workspace ONE Freestyle Orchestrator
• VMware Intelligence Guided RCA
• VMware Next-Gen Horizon Cloud
いかがでしたでしょうか?
様々な発表がありましたので、これから楽しみですね!
個人的にはvSAN8の新しいアーキテクチャやSnapshot周りの改善が結構気になっておりますので、実機でも試してみたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
VMwareの記事
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