VMware 担当者コラム
VMware・データセンター仮想化
vSphere+の展開及び初期設定のご紹介
こんにちは、VMware担当の及川です。
今回は、vSphere+についてHOL(HANDS-ON LABS)にてどのように提供されるのかを確認しましたので、その情報についてお届けしようと思います。vSphere+は仮想化テクノロジーとエンタープライズ対応のKubernetes、及びクラウドサービスを組み合わせて、既存のオンプレミス展開も含めたクラウド化を推進するソリューションとなります。
概要については、以下のコラムの方で紹介しておりますので是非ご覧ください。
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/out/secolumn/vmware/column123.html
今回ご紹介する内容についてはHOLとドキュメントを元に共有させて頂いております。
こちらもご活用ください。
VMware vSphere+ Overview (HOL-2311-92-ISM)
※要アカウント
https://labs.hol.vmware.com/HOL/catalogs/enrollments/lab/NEE-476706329260359_
Getting Started with vSphere+
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere+/services/vsphereplus-getting-started.pdf
■vSphere +によってできること
まとめると以下のようなことが実現できるようになります。
・vSphereのインベントリ情報をクラウドコンソールで一元管理
・vSphereに関する、グローバルイベント、アラート、セキュリティの監視
・vSphere環境の全てのVMを表示、必要な容量を持つクラスタの特定、VMの作成
・vCenter ServerのUpdateの一元化
・vSphere環境における構成の標準化
・VMware Tanzu Standard Runtime Editionによる、Kubernetesプラットフォーム化
■vSphere +のアーキテクチャ
左図が今までのオンプレの環境、右側がvSphere+環境になります。
オンプレのvSphereについてサブスクリプション化を行い、vCenter Cloud Gateway(以下、Cloud Gateway)経由で、VMware Cloud コンソールから一元管理ができるようになります。
■ESXiホストとvCenter Serverの要件
<バージョンについて>
全ての機能を使うためには最新版のvCenterの利用が必要となります。
-
vCenterが6.7以降の場合
vSphere環境の監視が可能
-
vCenterが7.0 Update 3fの場合
vCenter Serverのサブスクリプション化
全ての機能が使用できる
カスタマーサポートを受ける
<vCenterの要件>
vCenterについて、事前確認が必要な項目があります。
・vCenterのバックアップ構成がされていること
・vCenterに対して3台以上のESXi(推奨)
・vCenter ServerがHAモードになっていないこと
・外部PSC構成になっていないこと
・拡張リンクモードで構成されている場合は、リンクを解除すること
・vCenterがvCloud SuiteやVMware Cloudで構成されていないこと
・vCenterが自己管理する構成であり、独自のESXiホストと仮想マシンを管理すること
※vCenter Serverを自己管理型vCenter Serverに変換する
要約すると、vCenterが展開されるESXiも、そのvCenterのホストとして登録の必要があるということです。
vCenterに管理されていないESXi上に展開されているケースや、別のvCenterが管理しているホスト上に展開されている場合は、構成の変更が必要になります。
■Cloud Gatewayのハードウェア要件
各Cloud Gatewayインスタンスに最大4つのvCenter Serverインスタンスを接続できます。
■ポート番号について
構成のイメージ図は、以下の通りとなります。
必要なポート要件は以下の通りです。
■構築の流れ
構築ステップとしては、以下の流れとなります。HOLで確認する限りでは、非常に簡単な設定で利用可能です。
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Cloud Gatewayのデプロイ
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初期セットアップ
A) VMware Cloud ConsoleとCloud Gatewayの接続
B) Cloud Gatewayを経由し、vCenterをVMware Cloudに登録 -
ライセンスのコンバート
では、それぞれのステップについて詳細を確認していきます。
■1.Cloud Gatewayのデプロイ
Customer Connectより、Cloud GatewayのISOをダウンロードします。
インストーラを立ち上げて、Virtual Applianceの展開をします。
展開先のvCenterの情報など、必要なパラメータを入力します。
展開が完了すると、ブラウザから接続できるようになります。
■2.初期セットアップ
A) VMware Cloud ConsoleとCloud Gatewayの接続
B) Cloud Gatewayを経由し、vCenterをVMware Cloudに登録
Cloud Gatewayにブラウザよりアクセスし、VMware CloudとCloud Gatewayを接続します。
Cloud Consoleに、Cloud Gatewayを登録します。
次にvCenterをCloud Gateway経由でVMware Cloudに登録します。
vCenterのログインアカウントを入力し、登録します。
vCenterをVMware Cloudに接続します。
以上で、完了です。
■3.ライセンスのコンバート
Cloud Consoleに接続し、vCenterをSubscriptionに変換します。
対象のvCenterを選択し、「CONVERT」をクリックすれば、変換完了です。
Inventoryから、先ほどコンバートしたvCenterが確認できるようになります。
いかがでしたでしょうか?
実装に関しては非常にシンプルだと感じました。まだ、リリースされたばかりではありますが、これからクラウド側のコンソールから様々なことができるようになるようなイメージがわいてきました。
次回のコラムでは、実際にCloudコンソールからどのようなことができるのかを中心にご紹介したいと思います。
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