vSphere Essentials Plus を使用した2 Node vSANのライセンスの適用方法について

こんにちは!DIS VMware担当の及川です。

今回はVMwareの手塚様から頂いたvSANに関する情報をご紹介します。

本記事ではVMware が提供する小規模環境向けHCI ソリューションである”2 Node vSAN” をvSphere Essentials Plus ライセンスにて構築する手順をご紹介いたします。2Node vSANの場合、Witnessアプライアンスを含めると4ホストのESXiの管理が必要ですが、Essentials Plusに含まれるvCenterでは、3ホストしか管理することができません。そのライセンスのエラーを回避するための手順をご紹介いたします。

・2 Node vSAN とは

2 Node vSAN はその名の通りvSAN クラスタを2ノードのみで構成します。ここに管理サーバを1ノード含めた計3台で運用するので、初期コストを大幅に削減しながら管理性も向上させるというメリットがあります。また、一方のノードで稼働している仮想マシンのデータはもう一方のノードに複製されており、一方のノードがダウンしてしまった場合でももう一方のノードで復旧することができます。

2 Node vSAN について詳しく知りたい方は以下のリンクも参照ください。
~「2ノード vSAN」で広がるハイパーコンバージドインフラ活用法~
https://vmware-juku.jp/solutions/2node-vsan-hci/
vSAN の新しいカタチ ~ 2 Node vSAN を複数拠点にバラ撒いて集中管理をしましょう ~
https://blogs.vmware.com/vmware-japan/2019/09/2nodevsan-robo-1.html
※ブログ内にネットワーク構成のサンプル図を記載しています

・必要なvSphere のライセンス形態

小規模なオフィスなど、なるべく予算を抑えたいケースでよく利用されるエディションがEssentials Plus Kitです。この製品は比較的安価ながらもvMotion やHAといった可用性に優れた機能を利用できます。つまりEssentials Plus Kitは、価格を抑えながら可用性も高めたい2 Node vSAN の考え方にぴったりなエディションなのです。
今回はこのエディションを利用して2 Node vSANを構築するので、必要なライセンスは「(vSphere Essentials Plus Kit×1) + (vSAN Standard ×2ノード分のCPU数)」となります!

ただし、このようなライセンスの組み合わせの場合、vSphere Essentials Plus のライセンスで管理できるホストは3台までとなります。2 Node vSAN を構成する際は「vSAN ホスト2台」、「Witness アプライアンス とvCenter Server Appliance を稼働させるホスト1台」に加えて「Witness アプライアンス 1台」の合計4台のホストをvCenter で管理する必要があるため、一見1台分のライセンスが不足しているように思えます。

では、どのように構築すれば回避できるのかを次の章からお伝えします。

・構成手順の流れ

ここからvSphere Essentials Plusライセンスでの構築手順の流れをご紹介します。構築手順の詳細はこちらを確認してください。まずは初期構成を確認しましょう。

ホスト1とホスト2でクラスタを構成し、ホスト3で監視する構成を考えます。vSAN用VMkernel および標準仮想スイッチの設定と2 Node クラスタの作成を行います。

ホスト1とホスト2へSSH接続し、esxcli コマンドを使用してWitness トラフィックを分離します。(コマンドは”esxcli vsan network ipv4 add -I vmk0 -T=witness”です。)

$> esxcli vsan network ipv4 add -I vmk0 -T=witness
$>
$> esxcli vsan network list
(結果抜粋)

Interface
   VmkNic Name: vmk0
   IP Protocol: IP
   Interface UUID: 7416155b-3c37-8c3a-7a4d-005056033ef8
   Agent Group Multicast Address: 224.2.3.4
   Agent Group IPv6 Multicast Address: ff19::2:3:4
   Agent Group Multicast Port: 23451
   Master Group Multicast Address: 224.1.2.3
   Master Group IPv6 Multicast Address: ff19::1:2:3
   Master Group Multicast Port: 12321
   Multicast TTL: 5
   Traffic Type: witness

ova ファイルからWitness アプライアンスをホスト3へ展開します。

vCenter Essentials エディションはホストを3台まで管理できますが、Witness アプライアンスの参加時に管理対象のホストとしてカウントしてしまいます(Witness アプライアンスには専用のライセンスがあらかじめ付与されているので、追加のライセンスは必要ありません)。そのためホスト3をvCenter の管理から一時的に外す必要があります。

ホスト3をvCenter から切断し、Witness アプライアンスをvCenterに参加させて設定を行います。ライセンスの選択時は「ライセンス1(vSphere 7 for Virtual SAN)」を選択してください。

Witness アプライアンスのHost Client へ接続し、vmk0 のラベルにvSAN を追加します。

切断していたホスト3を再接続し、vSANサービスを起動してvSANデータストアを構成します。

・おわりに

今回はvSphere Essentials Plus で構成する2 Node vSAN をご紹介させていただきました。
実際の環境に触ってみたい!という方には無料のHands on Labs をご用意しておりますので、ぜひvSAN のパワーを体感してみてください!

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